CCS特集:バイオインフォマティクス系
日立ソフトウェアエンジニアリング
2001.05.25−日立ソフトウェアエンジニアリングは、1980年代半ばのバイオブームのころから一貫して遺伝情報処理、バイオインフォマティクスのシステム化に取り組んできた。現在でもこの分野で活発なビジネスを展開しており、昨年もミレニアム予算の関連でがん診断用DNAチップ開発や遺伝子多様性モデル解析事業などに参画したほか、ゲノム解析/DNAチップ解析のための独自のソフトウエア・ハードウエアの開発と販売を拡大。事業体制の拡充も急ピッチで進めてきている。
主要製品群は、6月に一挙にバージョンアップすることになった。ハードウエアでは、DNAチップ製造装置「SPBIO II」、DNAチップ用蛍光式スキャナー「CRBIO II」、マクロアレイ対応蛍光イメージアナライザー「FMBIO III」、ソフトウエア製品ではバイオ情報処理のための統合環境を提供する「DNASpace4.0」、DNAチップを利用した研究活動の総合支援システム「CHIPSpace2.0」が新発売される。
DNASpace4.0は、海外では「DNASIS-MAX」の製品名で市場投入され、国内でも長年DNASISの名称で親しまれた機能を大幅にグレードアップしたものとなる。 CHIPSpace2.0は定評のある管理機能に加え、発現プロファイリングなどの解析機能を強化した。
現在、同社では横浜・鶴見にバイオ事業専用の研究施設を建設中で、今年12月に完成すればDNAチップの生産能力の拡大も含めて事業基盤が大幅に強化されることになる。現在、大学などと協力して進めている実験なども新施設で独自に行えるようになるという。
また、海外に関しては、今年の3月に独ベルリンに新たな拠点(フランスに本拠を置く日立ソフトヨーロッパの支店として)を開設した。欧州ではこのところFMBIOの販売が好調であり、体制を固めて一気に拡販を狙っていく。