CCS特集:バイオインフォマティクス系
エルエイシステムズ
2001.05.25−エルエイシステムズは、ポストゲノムでたん白質の研究が活発になっていることを受け、NMRおよびX線を利用したたん白質構造決定を支援するプログラムの販売に力を入れる。同時に、構造決定をハイスループットで進めていくためには、分析機器を組み込んだデータ解析のためのネットワーク環境を整備する必要がある。そこで同社では、単にパッケージソフトを販売するだけでなく、ネットワーク構築も含めた総合的なサポートを志向していく考えだ。
NMRからの構造決定は、米レゾナンスデザイン社の「DYNAMO」で、理化学研究所のゲノム科学総合研究センター(横浜)に導入された。もともとは米NIHで開発されたもので、レジディアルダイポール(残余双極子)カップリングを取り入れた構造計算が可能な唯一のソフトとして知られている。とくに膜たん白質の構造決定で注目されている手法だという。
Linuxで利用可能で、ソフト価格は300万円(アカデミック30万円)となっている。
一方、X線からの構造決定を行うのは仏ソリス社の「TURBO-FRODO」。この分野ではアクセルリス(モレキュラーシミュレーションズ)のXPLOREが有名だが、グラフィックモジュールが別途必要になるなどコストが高い。 TURBO-FRODOは計算と表示が一体になっており、使い方がわかりやすいのが特徴。4月からはLinux版が発売されており、ソフト価格は250万円(同25万円)となっている。
これらの分野にはフリーのソフトも多いが、同社によると使い方を覚えるのに1−3年かかるケースもある。それよりも、使いやすい商用のソフトウエアを購入して、本来の研究に集中してもらいたいとしている。
同社では専門の知識を持つサポート要員も採用し、技術サービスにも万全の構えで、たん白質研究の発展を側面支援していく考えだ。