CCS特集:バイオインフォマティクス系
ザナジェン
2001.05.25−ザナジェンは、微生物関係のゲノム解析を通して有用な微生物またはその機能を発見し、それをビジネスにしようというバイオベンチャーで、協和発酵と三井情報開発の折半出資によって昨年10月に設立された。スタッフも徐々に拡充しており、今年の秋には最初の製品として微生物ゲノムのアノテーション付きデータベース「Xana-Genom」を発売する。バイオインフォマティクスを駆使した微生物ゲノム研究は新しい段階に入りつつあるようだ。
同社は、協和発酵が蓄積してきた微生物ゲノム情報と三井情報開発のバイオインフォマティクスのシステム技術を合体する形で、最終的には社会に有用な微生物技術を確立することを目指している。
現在、世界中には40−50種の微生物の公的ゲノムデータベース(DB)が存在しているが、それらの多くは配列データだけで重要な情報が埋もれているのが現状だという。それらのDBに対し、ザナジェン独自のバイオインフォマティクス技術を用いた解析を加え、アノテーションを付ける作業を進めてきていた。
今秋に製品化するXana-Genomはその成果。食品や医薬品などに役立つ微生物や、その遺伝子がつくり出すたん白質などの研究に役立つ。実際に発売したあと、ユーザーの反響をみながらさらに手を加えていく予定である。さらに、アノテーション付けのコンサルティングサービスや受託事業にも取り組んでいきたいという。
また、同社では同時期に解析データの検証用のラボ施設を設ける計画。同社はインフォマティクスを重視しており、配列をハイスループットで決定することに力を入れることはないが、シーケンサーなども導入し、実験も絡めた多面的な研究を進める予定。
スタッフも設立時は数名だったが、現在では12名がおり、年内には20−25名の体制に拡大させていく。