住商エレクトロニクスがヌージェネシスの科学情報統合管理システム
分析機器データからオフィス文書までまとめて一元管理
2001.06.01−住商エレクトロニクスは、米ヌージェネシス社(本社・マサチューセッツ州、マイケル.E.マクギネス社長兼CEO)と代理店契約を締結し、研究開発のさまざまなフェーズで発生する科学技術的データを統合管理する「NuGenesis SDMS」(商品名)の販売を開始した。各種の分析・計測装置のデータを丸ごと取り込んでデータベース化できるほか、研究レポートなどのドキュメント類もまとめて管理しておき、必要な情報をすぐに取り出すことが可能。欧米では医薬産業での導入実績が中心となっており、新薬の電子申請の基盤となるデータづくりにも役立つ生産性向上ツールとして売り込んでいく。
「NuGenesis SDMS」は、「NuGenesis ARCHIVE」と「NuGenesis UNIFY/VISION」から構成される。前者はNMRや高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析、電子顕微鏡など各種分析機器からの出力データを自動的に収集する機能を持っており、分析機器の種類を問わず、あらゆるデータを一括して集中管理できるのが特徴。スペクトル図などの波形データも単純なイメージではなく、高品質で拡大縮小が可能な形式で保存されるので、もとのデータの鮮明さを生かした形で再利用が可能。主要な分析機器メーカーと技術提携して、データをダイレクトに取り込めるようにしている。
一方、後者のNuGenesis UNIFY/VISIONは、あらゆるアプリケーションのファイルをそっくりまとめて管理してしまう。ワードやエクセルなどのオフィス系アプリケーションで作成した文書や図表、プレゼンテーション資料、PhotoShopの画像、さらにはMDLのISISのような化学情報管理システムとも連携して化学構造式や物性データも関連付けて統合することが可能。操作は非常に簡単で、各アプリケーションの「印刷」メニューを実行するだけで、情報がNuGenesis UNIFY/VISIONに自動的に取り込まれる。
NuGenesis SDMSは、これらのすべての情報にインデックスを付けてオラクル上で一元管理している。あらかじめプロジェクト単位で大まかに分類を考えておき、いろいろな文書を「印刷」メニューでどんどん貯め込んでいける。一旦登録されたデータは、強力な全文検索機能によって、いつでも自由に引き出すことが可能。
このため、ユーザーは普段通りのワークフローを一切変更することなく、情報の共有化とペーパーレス化を推進できるというメリットがある。操作法もわかりやすく、各種のアプリケーションや分析機器には完全に非依存であるため、導入したその日から利用をはじめることができるという。
研究所における情報統合化のインフラとして役立つほか、米食品医薬品局(FDA)などへの電子申請対策としての機能も充実しており、データのバリデーションや電子署名による信頼性の確保なども考慮されている。
クライアントはウィンドウズ、サーバーにはウィンドウズNTとオラクルが必要。分析機器のコントローラーはUNIX系でもかまわない。システム価格は、接続する分析機器の種類や台数、使用するユーザーの数などで変わってくる。