日本HP、インテル、日本オラクルがアイテニアム普及で協調
ソフト開発者向け支援プログラムを充実・強化へ
2001.06.22−日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とインテル、日本オラクルの3社は21日、インテルの64ビットプロセッサー「アイテニアム」を日本市場で早期に普及させるため、ソフトウエア開発者向けの支援プログラムを共同で展開すると発表した。日本HPが中心になってジョイントテクノロジーセンターを開設し、3社の技術資産および人的資産を結集させて、システム開発者をサポートしていく。
今回の提携は、インテルの「アイテニアム」とHPの対応OS(基本ソフト)である「hp-ux11i」、オラクルのデータベースサーバー「Oracle9i」の組み合わせで構成されるIT(情報技術)プラットホームを次世代の業界標準として普及させることが狙いとなっている。
具体的には、日本HPがすでに開設している「パートナーテクノロジーアクセスセンター」(PTAC)の活動を拡大し、3社の提携によるジョイントテクノロジーセンターを設ける。アイテニアムとhp-ux11iを搭載したHP製サーバーを設置し、オラクルから評価版のOracle8i(出荷準備が出来次第Oracle9i評価版を提供)を用いて、システムの動作検証やアプリケーションの移植・最適化などのサービスを行っていく。このとき、hp-ux11iのプログラミングノウハウやアイテニアムへの最適化のノウハウなどを開発者に対して提供するという。
インテルも、開発者向けに実施している「インテルソリューションサービス」のなかでhp-ux11iとOracle9iに対する技術サポートが行えるようにし、検証センターも設けていく。
日本オラクルは、HPプラットホーム上で24時間365日稼働するシステム環境を実現するための検証施設である「ミッションクリティカル検証センター」(MCCC)において、アイテニアム対応のサービスが行えるようにし、検証設備も整える。
会見のなかで日本HPの寺澤正雄社長は「hp-ux11iはアイテニアム対応の初の商用OSであり、すでに独自のPA-RISC環境で64ビット対応の実績も豊富だ。100種類を超えるPA-RISCアプリケーションのバイナリー互換性も検証済みで既存資産も継承でき、コンパイラーとチップセットというHP独自のソフト/ハード両面での差別化もあるので、アイテニアム関連事業で躍進できると期待している」と述べた。
インテルのジョン・アントン社長は「アイテニアムによってインテルはハイエンドのエンタープライズおよびテクニカルコンピューティング市場に進出する。バックオフィスやデータセンターで多数のマイクロプロセッサーが協調動作してeビジネスのミッションクリティカルな情報処理を支える“マクロプロセッシング構想”も打ち出している。年内には30社以上のハードベンダーからアイテニアム搭載システムが製品化され、400本以上のアプリケーションが最適化される」とした。
日本オラクルの新宅正明社長は「オラクルは1995年4月にDigitalUNIXで、1998年11月にHP-UXで、1998年12月にAIXで、そして1999年12月にソラリスで64ビット環境をサポートしてきた実績がある。アイテニアムとhp-ux11iについても、日本語環境できちっとサポートしていきたいというのが今回の提携の骨子だ。今秋にはOracle9iを出荷開始する予定であり、その早期立ち上げにも寄与すると期待している」とコメントした。
ただ、今回の提携は拘束力のあるものではなく、インテルは他のアイテニアム対応OSベンダーとも同様の提携を、オラクルもOracle9iで他のOSおよびプラットホームベンダーに関して、やはり同様の提携関係を結んでいくものとみられる。