マニュジスティックスジャパンが新ビジョンEPOを提唱
SCMとPROの組み合わせで企業収益を最大化させる
2001.04.23−マニュジスティックスジャパンは、企業の利益を最大化する新しいソリューションとして、新たに「EPO」(エンタープライズ・プロフィット・オプティマイゼーション)というビジョンを打ち出した。コストを削減するSCM(サプライチェーンマネジメント)と売り上げを最大化させるPRO(プライス&レベニュー・オプティマイゼーション)を、B2Bマーケットプレースのインフラの上で組み合わせたもので、同社が業界で初めて提供するソリューションになるという。今年の夏ごろから具体的な製品をリリースする。同社では、先行するeコマースサイトの不振など、eビジネスの現状と実態への理解が進み、プライベート型のeマーケットプレースへの移行が起きて、今年はSCMの必要性が再認識されると判断。経済環境が低迷するいまこそEPOの新たなビジョンが求められているとして、各産業のリーディング企業を対象に採用を強く働きかけていく。
同社によると、昨年は国際会計基準の導入など、企業の情報化投資がERP(エンタープライズリソースプランニング)市場に偏るという傾向がみられたという。また、パブリック型のeマーケットプレースが多数登場したが、その多くは行き詰まっており、結局は業務プロセスの問題も含めて、パブリックにeビジネスを展開するインフラがまだ整っていなかったことが問題だったと分析できるということだ。
このため、特定の取引関係を持つ企業同士のプライベート型のeマーケットプレースへの移行が進みつつあり、とくに各産業界のトップ企業を中心にしたサプライチェーン/バリューチェーン全体をいかに最適化できるかに関心が移ってきているとしている。
今回、同社が打ち出したEPOソリューションは、SCM活用によるコストの最小化と、PRO活用による売り上げの最大化を組み合わせることで、企業の収益を最大限に高めようというもの。PROは同社が昨年9月に買収したタラスソリューションズ社の技術をベースにしており、各製品の市場と顧客属性を細分化したマーケティングによって、製品の価格付けを最適化し、収益を高めることを可能にする。
EPOでは、単純にSCMとPROのツールを組み合わせるだけでなく、例えば入札において最も競争力のある価格付けを可能にする契約管理ソフト、需給動向を見定めて最も効果的なプロモーションを実行するための価格設定ソフト、パソコンや半導体製品のように製品ライフサイクルに沿って価格が変動する製品の価格設定を精密化するためのソフトなど、今年の夏ごろにはユニークな機能を新たに提供していく計画である。
米国ではフォードが導入して、新車の発売前にどのような種類のユーザーに対してどれくらいの需要が期待でき、それに対する生産・供給計画をどのように最適化するか、価格設定をどうするかなどの経営判断に利用されているという。また、ビデオレンタルチェーンのブロックバスタービデオ社が、出展地域の住民の種類や構成によってどのような種類の作品をどの程度入荷すればいいのか、具体的な価格設定をどうするかなどの問題に適用されて効果をあげた事例がある。
マニュジスティックスジャパンでは、産業を12種類(通信・ハイテク、耐久消費財、化学・エネルギー、医薬・生化学、日用雑貨、食品、自動車・部品、アパレル、小売り・流通、公共・サービス、運送、運輸・ホスピタリティ)にセグメント化し、市場と顧客の選択と集中を進めていく。各セグメントから3−7社をピックアップし、重点的に提案活動を行う。今年は日本市場に対して投下する経営資源を倍増させる計画だという。