米ピクチャーIQが日本法人を設立

携帯電話など各機種に合わせた画像を自動生成し配信

 2001.06.05−米PictureIQ(本社・ワシントン州、ビル・マッコイCEO)は、日本法人「PictureIQジャパン」(浜和人社長)を設立し、日本市場で本格的な事業展開を開始した。同社は、画像を多用したインターネットコンテンツを制作・配信するためのソリューションを提供するベンダーで、同社の画像サーバー装置を利用すると、携帯電話などさまざまなインターネット接続端末向けの画像を自動的に作成することができる。モバイルインターネットが普及している日本市場に最適なシステムとして、企業向けに売り込んでいく。

  日本法人の正式名称は「ピクチャーアイキュー・ジャパン」で、資本金は1,000万円、米PictureIQの初の海外子会社(全額出資)として設立された。本社は東京都新宿区西新宿6−12−1、パークウェストビルに置かれ、電話番号は03−5325−3092。

 同社の主力製品は、インターネット用の高性能画像サーバー装置「PictureIQ TransForce」(商品名)と、OEM供給専門の組込用画像処理ボード「PictureIQ PhotoBoard」(同)の2つ。

 PictureIQ TransForceは、あらゆるインターネット接続機器に最適な画像配信の自動化を実現するサーバー装置。同社のマッコイCEOは「日本はモバイルインターネット王国で、アクセスを提供するサービスが5種類あり、30種類以上の接続端末が使用されている。それらに最適化された画像を配信するためには、各機種ごとに手作業で画像を加工して用意する必要があり、コンテンツ制作のボトルネックであるとともにコスト増の原因ともなっていた。PictureIQ TransForceはこの問題を打破する画期的ソリューションとして、日本市場で大いに喜ばれると思う」と述べている。

 PictureIQ TransForceは、画像に対するリクエストが端末から来ると、そのHTMLのヘッダー部分を解析してその端末の機種を特定し、それぞれに最適な画像を生成して配信する機能を持っている。コンテンツ制作者が用意するオリジナル画像は1つだけでよく、それをもとに各端末に最適な画像サイズや画像フォーマットに自動的に変換して送り出してくれる。各端末ごとの画像設定はルールセットとしてあとから組み込んでいけるので、新しい機種が出てもすぐに対応が可能だという。

 この装置には、ペンティアムIII(800MHz)が2個内蔵されており、Linuxが稼働している。筐体は1Uサイズのラックマウント型で、他のインターネットサーバー製品と親和性のあるデザイン。処理能力は、扱う画像サイズによって異なるが、携帯電話用なら毎秒百枚程度の配信が可能だとしている。価格は600万円。

 販売は代理店を通して行われる予定で、現在、テクマトリックス(旧ニチメンデータシステム)やソリトンシステムズと話しが進んでいる模様。

 一方、「PhotoBoard」はデジタル画像処理技術を組み込んだ家庭用機器を開発するメーカーに対して供給するOEM専用製品で、セガのドリームキャスト/ドリームアイや昨年末に発売された米アイオメガのFotoShowに採用されている。

 マッコイCEOは「今回の日本法人設立は、販売だけを目的としたものではない。モバイルインターネットとデジタルカメラの先進市場である日本において受け入れられるソリューションを確立し、それをワールドワイドに展開していきたい」とする。当面の事業目標としては、2002年9月期に20億円の売り上げを目指していく。