SSAジャパンがERPパッケージ最新版「BPCSバージョン8」

オープン型で他社システムとも連携、リーン生産方式に初対応

 2001.06.19−SSAグローバルテクノロジーズジャパンは、基幹業務パッケージソフト(ERP)の最新版である「BPCSバージョン8日本語版」を6月末から出荷開始する。オープンアーキテクチャーを採用し、他社製のシステムとの柔軟な統合を可能にしたほか、日本の製造業が得意としているジャストインタイム型の“リーン生産方式”を初めて本格的にサポートした。プラットホームはOS/400、HP-UX、ウィンドウズNT/2000に対応しており、ソフト価格は5,000万円から。生産管理に販売管理、財務会計を加えたフルモジュールでも、ハード込みで約1億1,000万円で導入が可能であり、中小企業向けにも積極的な売り込みをかけていく。

 BPCSは20年の歴史を持つERPパッケージで、生産管理を得意とし、電気・電子、自動車、食品などの分野で導入実績が高い。

 今回の最新版であるバージョン8は、100種類以上の機能強化を施したもので、とくに“Open eRP”と称するオープン型アーキテクチャーを取り入れている。必要な機能をすべて自前で盛り込むのではなく、他社とのアライアンスで機能を膨らませようという考え方で、具体的に連携できるベンダーやシステムは今後順次明らかにしていく予定。基本的には両者をつなぐアダプタープログラムを提供する形になる。

 また、今回から新たに追加されたのがリーン生産方式対応機能である。リーン生産方式は、トヨタのカンバン方式を発展させたジャストインタイム方式をベースとした新しい生産プロセスの考え方で、これをサポートするのはERPベンダーのなかで初めてになるという。ムダを削ぎ落とした効率の良い生産を可能にするため、システムの処理ステップ数で生産から出荷までのプロセスが従来の27から4ステップに、資材購入は同様に8から2ステップに削減されるという。

 さらに、トレードファンドマネジメント機能も追加された。これは、これまで見逃されがちだった販売経費やマーケティング経費を適正に管理するためのモジュールで、それらの経費の使途やその有効性を追跡して、適切な組み合わせを発見したり、重点的に金額を投入すべき分野を見つけ出したりするために利用できる。

 同社のD.P.サンローラ副社長によると、BPCSは生産管理に強いという印象があるため、国際会計基準導入で盛り上がった1997年および1998年は苦しい状況がみられた。しかし、1999年以降は会計偏重から全体を見直そうという傾向に変わってきたことで盛り返し、2001年7月期に関しては2,500万ドルの売り上げ計画に対し、前年度比50%増の3,500万ドル(日本市場だけの売り上げ)を達成できる見通しになるなど好調が目立っているという。

 現在、大都市圏を中心に日本IBMなど10社の販売パートナーが活動しているが、中小企業への販売や地方への展開を本格的に行うため、年内にさらに20社のパートナーを増やす予定である。