ウルフラムリサーチが一般向け数学ソフトを発売

ガイド機能とインスタントカリキュレーターで高機能を簡単に駆使

 2001.04.24−ウルフラムリサーチ・アジアリミテッドは、数学ソフトのベストセラー「Mathematica」の機能を一般の技術者や研究者、アナリストらが簡単に活用できるようにする新ソフト「CalculationCenter」を開発、日本国内で販売を開始した。利用者を手引きしてくれるガイド機能が備わっているので、使用法を特別に覚える必要はなく、パッケージを開封して10分以内に使い始めることができるという。ワープロやプレゼンテーションの機能も兼ね備えており、便利な電子ノートブックとしても活用できる。ソフト価格は6万5,000円。また、計算機能をホームページに埋め込むことができる「webMathematica」を近日リリースすると発表した。

 米ウルフラムリサーチは1987年に設立されたソフトベンダーで、全世界に100万人の利用者がいる数学ソフトMathematicaが唯一の製品だった。今回のCalculationCenterは設立以来初めて発売する別製品で、4年間をかけて開発を行ってきた。計算の品質はMathematicaと同じだが、技術的な要求や使用頻度があまり高くない一般的なユーザーを対象にしているという。

 CalculationCenterはウェブブラウザーのように簡単に使えることを目標としている。ブラウザーのフレームに当たる部分に、利用者をガイドしたり計算機能を制御したりするコントロールパネルが表示されており、戻るボタンやホームボタンを使って計算や設定をやり直すことも簡単。最大の特徴であるインスタントカリキュレーター機能により、計算のプロセスを1ステップずつ進めることができる。

 実際には何100種類もの関数が組み込まれており、数値や記号入力を即座に計算し、グラフ化したり、高品質な技術レポートを作成したりすることが簡単に行える。作業プロセスは自動的に電子ノートブックに記録され、インスタントカリキュレーターも自動的に埋め込まれていくので、複数のパラメーターを用いる複雑なステップの計算を何度も繰り返すことが簡単に行えるという。

 適応機種は、ウィンドウズ95/98/ME/NT/2000、マックOS。

 一方、近日リリース予定のwebMathematicaは、Mathematicaでカスタマイズされたアプリケーションを開発し、それをウェブ上で公開することを可能にするもの。webMathematicaはJavaサーブレットの上に構築されているので、各種のウェブサーバー/アプリケーションサーバーをサポートできる。そして、Javaに対応したさまざまなウェブクライアントにネットを介した計算機能を提供することが可能。

 例えば、金融機関が顧客に自分のウェブサイト上でいろいろな投資方法の計算手段を提供したり、大学などがウェブベースのコースウエアに仕立てて教育に利用したりするなどの用途が考えられるという。

 ウェブの標準的なインターフェースを完全にサポートしているので、利用者はMathematicaをまったく知らなくても、その計算機能を十分に利用できることが大きな特徴だといえる。