CTCLSが最新版アクティビティベース5.0を発売

HTS/ノンHTSパフォーマンス改善、柔軟なフォーム設計機能

 2001.09.04−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、英IDビジネスソリューションズ社(IDBS)の生物学データベース(DB)管理システム「アクティビティベース」(商品名)の最新版、バージョン5.0の販売を開始した。ハイスループットスクリーニング(HTS)など、新薬の候補化合物をスクリーニングするための生物学的アッセイ試験の大量データを効率良く管理することが可能。最新版ではデータ登録の柔軟性が増し、マニュアルアッセイなどのノンHTS分野での使い勝手が向上した。ソフトウエア価格は最小構成で400万円から。

 アクティビティベースは、もともと生物学DB管理を中心とするシステムだが、化合物の化学的情報を扱う「ストラクチャーベース」、反応情報の検索が可能な「リアクションベース」、データ解析を行う「SARgen」などの機能が統合されており、生物学情報から化学情報までの創薬のための総合DB管理システムとして利用することができる。

 とくにアッセイデータの管理に関しては、HTS分野では大量データを扱うパフォーマンスの高さ、ノンHTS分野ではデータ登録の柔軟性といった具合にオールマイティーな機能性を誇っている。

 今回の最新版5.0では内部のDB構造が改善され、データ入力や検索時のパフォーマンスがさらに向上した。96 穴(ウェル)、384 穴、1,536 穴などのアッセイプレートはもちろん、3,456 穴形式にも対応するなど、大量の情報を容易に扱うことができる。とりわけ、同社では3,456 穴に対応できたことを、遺伝子の発現解析などに利用されるマイクロアレイ対応への第一歩になったと位置づけており、今後の開発に期待を持たせる。

 また、データ登録用のフォームをエクセルを使って簡単に作成できる機能が強化された。ノンHTS分野ではアッセイごとにデータ構造なども変化するので、頻繁に登録フォームをつくり替える必要がある。今回、ユーザーが使いなれたエクセルに統合された形でフォーム作成機能が追加されており、テンプレートを使った簡単な操作で自由にフォームを設計できるようになった。

 その他、天然物の扱いが可能になったことも特筆される。天然物の組成や成分をツリー形式で深い階層まで管理することが可能で、天然物を利用したアッセイ試験を強力に支援できる。従来のシステムでは、ヒットがあった場合にその化合物がもともとどの天然物に由来していたのかをさかのぼって把握するのが難しかったという。

 アクティビティベースの動作環境だが、DBサーバーとしてオラクルを利用する。クライアントにはウィンドウズNT/2000を使用。そのほかにNT/2000ベースのファイルサーバーが必要になる。