インフォコムがスペクトルDB検索のインターネットサービスを提供

SpecInfo4.0の機能にブラウザーからアクセス

 2001.08.07−インフォコムは、NMR(核磁気共鳴)などのスペクトルデータベース(DB)検索をインターネット経由で行う新サービスを秋から開始する。従来から販売しているジョン・ワイリー&サンズ(ケミカルコンセプト)社の「SpecInfo」の機能をウェブブラウザーから利用できるもので、ユーザーの使い方によってはシステムを社内に導入するよりもコスト的なメリットがある。米国では今年の春からスタートしているが、インフォコムでは国内のニーズに合わせた料金体系などを固めたうえでサービスの提供をはじめる。

 SpecInfoのインターネット検索サービスは、化学構造の部分一致/完全一致検索、スペクトルデータによるマッチング検索、構造式からのNMR予測などの機能をブラウザーからインターネット経由で利用できるようにするもの。アクセス可能なDBは最新版のSpecInfo4.0でサポートされている13C−NMR(25万件)、1H−NMR(2万5,000件)、ヘテロNMR(4万5,000件)、赤外線(5万件)、質量分析(40万件)となっており、DBは今後も随時追加されていく。SpecInfoにはユーザーが独自のスペクトルDBを構築する機能があるが、検索をメインにするユーザーにはこちらの方が安く使い方も簡単だという。

 料金体系は、使い放題の年間契約/複数年契約のほか、1つの検索条件に対して何らかのデータがヒットした場合を1件とみなし、2年間で200件あるいは500件までといった契約形態も存在する。検索するDBの種類を限定することも可能。インフォコムでは、ペイ・パー・ビュー方式や月次契約方式など、国内ユーザーの利用スタイルを考慮して料金体系を検討し、最終的には今年の秋から日本語によるトップページやヘルプを整備して本格的にサービスを開始していく。

 DB管理を行わない一般化学者や大学関係の研究者の利用に適しているが、インハウスに導入したSpecInfoと使い分けるユーザーも出てきそうだという。例えば、DB構築の専門家や検索のプロフェッショナルはインハウスシステムを利用し、一般の化学者や分析技術者にはインターネットサービスを利用させるようにするなどの例も考えられるとしている。ブラウザーベースなので、特別な教育なしにすぐに検索ができるのが利点である。

 一方、インハウスで利用するパッケージ製品のSpecInfo4.0だが、以前のプラットホームはUNIXオンリーだったが、今回の最新版からウィンドウズNTをサーバーに利用できるようになり、クライアントソフトウエアもウィンドウズ版の「SpectacleXS」とブラウザーベースの「SpecSurf」がそろった。ライセンスもスタンドアロン型ではなくネットワークライセンスがメインになった。ウェブクライアントを利用することで、リーズナブルで柔軟なシステム導入が可能になったという。

 なお、SpecInfoは、米ジョン・ワイリー&サンズがDBコンテンツ部分を、独クレオン・ラボコントロールがシステムのソフトウエア部分を担当する分業体制で開発・製品化されている。