ユサコがプラウスサイエンスの医薬R&Dポータルサービス

メディシナルケミストリーとゲノミクス分野の情報を集約

 2001.07.11−ユサコは、スペインのプラウスサイエンス社が開始する医薬品産業のためのインターネットポータルサービス「プラウスサイエンス・インテグリティ」の販売活動を開始した。新薬の探索から製品を発売するまでにいたる開発過程で必要な幅広い学術情報を統合した情報サービスで、ウェブを通して分子の部分構造や遺伝子の配列を検索する機能を持っている。実験薬理学や臨床薬理学のデータを、化学および遺伝子情報と結びつけて理解するように助けることができる。とくに、計算化学やコンビナトリアルケミストリー、ハイスループットスクリーニング(HTS)、ゲノミクスなど、近年の医薬品開発の原動力となっている情報集約型の研究方法のシナジー効果を高めることが可能。

 今回のサービスはインターネット上のポータルサイト「www.prous.com/integrity/」に接続して利用する。化学、ゲノミクス、プロテオミクス、生体組織工学、薬物動態、薬理学、病理学などの幅広い情報にアクセスすることが可能。

 今年末の時点で、約20万種の生物活性化合物の基本情報、80社以上の企業で開発中の300以上の医薬品情報、学会や学術雑誌に発表された35万件の文献情報、主要11ヵ国を網羅した4万件の特許情報、6,600の合成経路で使われる3万5,000の有機中間体情報、もとの化合物と主要な代謝物を含む8万件の薬理/代謝情報、薬物と受容体または酵素と標的細胞との相互作用に関する30万件の実験データ、4,000の治験薬に関する包括的な臨床情報、さらにはフルカラーのイラストやウェブの特徴を生かした各種疾病に関する背景情報などを入手できるようにする。

 とくに、メディシナルケミストリーとゲノミクスの両方の領域からの知識や知見をカバーしている点が特徴だという。世界中から発信される最新のトピックスを毎日収集し、レビュー、分析して、整理された知識として提供するので、新薬の研究開発を大幅に効率化できるとしている。

 プラウス社では、7月20日に「インテグリティ」に関する正式プレゼンテーションのインターネットライブ放送を公開する。双方向型のライブイベントで、電話やFAX、電子メールで直接質問をぶつけることができる。

 なお、「インテグリティ」の料金の詳細は不明だが、購読料金制で会員になって利用するスタイルだと思われる。国内ではユサコが窓口になって利用者を募ることにしている。