CCS特集第3部:バイオインフォマティクス

三井情報開発

 2001.11.31−三井情報開発(MKI)は、バイオインフォマティクスを差別化戦略のポイントに位置付けて事業体制を強化してきている。昨年4月に単独の事業部に昇格させたのに続き、今年7月からはバイオサイエンス本部として再編した。外部のパッケージ販売や官公庁向けの個別システムインテグレーション(SI)が事業の中心だったが、ここへ来てオリジナルのパッケージ開発もスタートするなど飛躍へ向けた体制が整ってきている。

 同社は1975年から遺伝子解析ソフトを手がけており、長年の人的ネットワークなどの強みも生きている。もともとは三井系シンクタンクであり、バイオテクノロジーに関する調査研究のフィードバック、さらには三井物産グループとしての総合力も発揮していきたいという。

 現在の人員は80名強で、その7割は開発を中心としたスタッフとなっている。売り上げ規模は2000年3月期の7億円、2001年3月期の10億円と伸び、来年3月期には15億円に達する見通し。この時点で、全社売り上げの7.5%を占める勘定だが、できるだけ早くそれを15%にまで拡大させるのが目標となっている。

 さて、待望の自社パッケージ製品の第1弾は、DNA試料の収集にともなう個人情報保護の観点から必要になる匿名化システム「SCTC21」。ジェノックス創薬研究所との共同プロジェクトのなかで生まれた製品で、昨年に発売し、すでに9社から受注した。合わせて、実験サンプル管理などの情報システムも製品化に向けて動いている。

 また、DNAチップ/マイクロアレイの発現プロファイル解析システム「ジェノミックプロファイラー」も開発している。外国にも同様のソフトはあるが、国産自社製品ならではのきめ細かさで勝負したいということだ。