CCS特集第3部:バイオインフォマティクス

NEC

 2001.11.31−NECは、昨年9月にバイオIT事業推進室を設立し、ライフサイエンス分野の事業戦略を強化中。10数年前から基礎研究所を中心に大学などとの共同研究で技術力を磨いてきており、現在のビジネスはスーパーコンピューターや大規模PCクラスターなどのプラットホームの提供が中心だが、今後はシステムインテグレーションや受託研究、パッケージソフト開発などにも乗り出していく。

 同社は、これまでにニューラルネットワークを用いたたん白質機能予測、隠れマルコフモデルを用いたたん白質機能予測、データマイニングによるたん白質移行先予測、たん白質と低分子化合物とのドッキングシミュレーション、非経験的分子軌道法による生体分子の電子状態計算、能動学習法による薬剤設計スクリーニング、センチュウを利用した遺伝子機能解析など、数多くのプロジェクトを手がけてきた。

 また、ポストゲノム時代にたん白質の機能解明が最大のテーマになるとの判断から、今年4月にこの分野の第一人者である次田晧教授を顧問に迎えて、東京理科器械と共同で「プロテオミクス研究センター」を設立。実験的ノウハウや経験も養っていく考えだ。

 今後も研究レベルを高く維持し、そこから得た先端的な成果をソフトパッケージとして結実させるという作戦を取っていく。第1弾を今年度内にも製品化する予定だが、ユニークな製品群が期待できそう。将来的には、診断支援などのサービスも視野に入れている。