サイネックスがネットサイエンスを通してGaussian98Mを発売
初のマッキントッシュ版、MacOS Xネイティブ対応で登場
2001.10.10−住商エレクトロニクスグループのサイネックスは、科学技術計算ソフトの専門サイト「ネットサイエンス」(http://www.netscience.ne.jp)を通じて、米ガウシアン社が開発した非経験的分子軌道法ソフトウエアの最新版「Gaussian98M」(商品名)の販売を開始した。最新のMacOS X(オーエステン)に対応。この分野の代表的ソフトであるGaussianがマッキントッシュで動作するのは初めてで、演算能力に優れるハードウエアの性能とあいまって大幅な高速処理が期待できそう。定価は民間向け26万円、アカデミック12万円。
Gaussianは、分子の電子状態を量子力学的にシミュレーションするための定番のソフトで、以前はUNIXやスーパーコンピューター用のアプリケーションだったが、最近ではウィンドウズで動作するGaussian98Wの人気が高い。
今回のマッキントッシュ版はOS Xのマルチタスク環境専用に開発されたもので、最新版のリビジョンA10のフル移植となっている。実験では観測できない遷移状態の分子のエネルギーや立体構造、反応性などを予測できるのが特徴。
計算理論として非経験的方法に加え、半経験的方法、密度汎関数法も統合しており、基底状態および遷移状態の構造最適化や反応経路の解析、巨大分子のONIOM計算、振動計算とIR/ラマンスペクトル予測など、Gaussianのすべての機能をマッキントッシュ上で利用することが可能。
計算データの入力と計算結果の可視化には分子モデリングソフトのマッキントッシュ版Chem3Dバージョン5(米ケンブリッジソフト)を利用する。サイネックスではこれも合わせて提供していく。
なお、ウィンドウズ版でリリースされている専用のグラフィックソフトGaussViewのマッキントッシュ版の発売は、いまのところ未定となっている。問い合わせは、gauss@iida.sse.co.jpまで。