医薬分子設計研究所がゲノム研究支援ツールを開発
情報収集・管理から解析まで研究者の日常業務を支援
2001.10.26−創薬ベンチャーの医薬分子設計研究所(本社・東京都文京区、板井昭子社長)は、バイオ研究者向けのウィンドウズフトウエア「KeyMine」(キーマイン)を独自に開発し、販売を開始した。ゲノムなどの配列データを自分のパソコンに簡単に取り込み、各種の関連情報と合わせてパーソナルな電子ワークスペースとして研究に活用することができる。ソフト価格は68万円(個人購入は24万円)。
同社は1995年に設立され、独自の技術に基づいて新薬開発の受託研究サービスを提供している。以前から多数のコンピューターケミストリーシステム(CCS)分野のソフトを自作し、内部での研究活動に利用してきていたが、今回のKeyMineは外部に販売する初めてのソフトウエア製品ということになる。
KeyMineは、情報を集めて管理する機能と、集めた情報を解析する機能の両方を持っており、ゲノム創薬の研究者にとっての日常的ツールとして役に立つように開発された。
情報へのアクセスはインターネット/イントラネットを問わずに透過的に行うことができ、必要とする配列データとそのアノテーション情報を簡単な操作で取り込むことが可能。リンクをたどって関連情報を自動的に収集する機能もあり、それらが内部で関連づけられて“データアイテム”という単位でデータベースに登録され、複数のデータアイテムの集合体が“ページ”と呼ばれる形で、さらにプロジェクト全体を“ワークスペース”という区切りで階層的に取り扱うことができる。
一方、解析機能としては、取り込んだ配列データに対してClustalWによるマルチプルアラインメントを行うことが可能。配列データを編集・保存したり、その配列に立体構造情報が関連づけられている場合には、複数の構造を重ね合わせて構造保存領域(SCR領域)を抜き出すことができる。文字列やURL情報、通常のファイルなどのさまざまな形式のアノテーションを自由に追加することも容易に行える。
KeyMineのなかからホモロジー検索を行うこともできるので、未知の塩基配列を解析して機能を推定したり、未知のアミノ酸配列からたん白質の立体構造をモデリングしたりするなどの研究にも活用することができるという。
動作環境はウィンドウズ98/Me/NT4.0/2000。ブラウザーはインターネットエクスプローラー5.0.1以降に対応している。