米シミックスが住友化学工業に重合触媒開発システムを導入

コンビ材料科学/HTEシステム、1日に48件を評価

 2001.12.04−コンビナトリアル材料科学の専門ベンダーである米シミックスは、住友化学工業にハイスループット実験(HTE)支援システム「ディスカバリーツールズ」(商品名)を導入した。ポリオレフィン向け触媒開発に役立てるのが目的で、触媒候補化合物を使った重合実験と評価を、1日に48件のペースで実施することができる。

 シミックスは1994年に設立された企業で、コンビナトリアル材料科学とHTE技術を初めて商用化した。受託研究のスタイルでのビジネスを中心としているが、昨年の春から同社が実際のプロジェクトで開発・使用してきたソフトウエアやHTE装置のいくつかを「ディスカバリーツールズ」という名称で販売している。導入したユーザーには、エクソンモービル、ダウケミカル、アベンティス、メルクなどがある。

 住友化学に収めたのは、ポリオレフィン系のポリマーとその重合触媒を開発するためのシステムで、1日に平均48種類の候補物質をテストして、性能を評価することができる。そのデータを収集して解析し、触媒やポリマーのデザインを最適化するためのシステムも含まれていると思われる。また、住友化学はシミックスのハイスループット型クロマトグラフ装置も導入している。

 シミックスが手がけている分野は、触媒のほかにもDNA分離膜やX線蛍光体、熱伝導材料、燃料電池、電極材料など広範にわたっている。

 なお、ディスカバリーツールズの国内販売は伊藤忠テクノサイエンス系のCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)が行っている。