アクセルリスが材料科学分野でコンパックと戦略提携

Tru64UNIXを計算サーバーとしてサポート、国内でも特別キャンペーン開始

 2002.03.26−米アクセルリスは、ポリマーや触媒などの材料設計支援システム分野でコンパックコンピュータと3年間の包括的な戦略提携を結んだ。コンパックのハードウエアのサポートや技術協力、共同でのマーケティング/プロモーション活動などを世界的に展開していく。このほど、それぞれの日本法人でも第1弾として特別キャンペーンを開始。高性能サーバーを組み合わせて低価格でシステムを提供する。

 今回の戦略提携は、2000年8月に結んだ基本合意を具体化させたもので、2001年12月から3年間の提携となる。CCS全体は、機能材料などの設計を対象としたマテリアルサイエンス分野と、新薬開発をターゲットにしたライフサイエンス分野の2つに大別できるが、アクセルリスはライフサイエンス分野ではIBMと、マテリアルサイエンス分野ではコンパックと協業することになった。それぞれがそれぞれの分野での最優先パートナーという位置づけになる。

 具体的には、アクセルリスは材料設計向け統合型CCSの「MaterialsStudio 2.0」(マテリアルスタジオ)をコンパックのシステム上でサポートする。コンパックのUNIX系OS(基本ソフト)であるTru64UNIX環境において、マテリアルスタジオのサーバー製品である分子動力学法「DISCOVER」、密度汎関数法「DMol3」、第一原理分子動力学法「CASTEP」の3種の計算化学プログラムを提供する。これらは移植が完了してすでに出荷可能。

 また、クライアント製品「マテリアルスタジオ・ビジュアライザー」も、ウィンドウズ搭載のEvoワークステーションで動作させる。Linuxに関してはサーバー製品だけのサポートとなり、コンパックマシンではProliantシリーズが対象となる。

 マテリアルスタジオのサーバー製品群では、そのほかにSGIのIRIX、WindowsNT/2000もサポートされており、基本的にはTru64UNIX版と同時リリースで同列の扱いをしていく方針である。ただ、現時点ではこれらのハードウエアプラットホームとしてはコンパックマシンが最も高性能であり、計算パワーが必要な材料設計分野ではコンパックが最適なマシンであることは事実としていえるようだ。また、緊密な技術提携のもとにソフトを搭載しているので、アクセルリス側からしても最も安心して顧客に推奨できるハードウエアであるということになる。

 さて、両社の日本法人が展開するキャンペーンは6月20日までの期間限定で、CASTEPおよびDMol3をコンパックサーバーとセットにした特別パッケージとして提供するもの。CASTEPとアルファサーバーDS20E(EV68/833MHz)の組み合わせで1,125万円、ES45(同1GHz)とのセットで1,293万円、DMol3とDS20Eでは831万円、ES45とでは999万円となっている。割引率は明らかにしていないが、少なくとも2−3割以上の値引きをしていると推定される。また、大学などの非営利機関向けにはさらに低価格が提示されるようだ。さらに、TFTディスプレーをプレゼントする共同アンケートも実施中。