ブロードバンド・エクスチェンジが共同利用型サービスを開始

BIGLOBEとhi-hoが提携、ブロードバンドコンテンツを高効率で配信

 2002.02.09−ブロードバンド・エクスチェンジ(本社・東京都中央区、藤原洋代表取締役)は、ブロードバンドサービス事業者が共同で利用できるネットワークサービス「BEXサービス」(商品名)を本格的に開始した。コンテンツプロバイダーとインターネット接続事業者(ISP)などとの間を直結し、大容量のコンテンツを効率良く配信するための仕組みを提供するもので、ストリーミング画像などの配信品質が大幅に向上するという。

 インターネット上の情報は、世界中を巡りつつ通常30段程度のルーターを経由して届くといわれており、せっかくのブロードバンドも、コンテンツの一部が遅いネットワークを経由したりすると最終的に遅延が生じ、例えばストリーミング映像が揺らいだり、表示にスムーズさを欠いたりするなどの品質劣化が生じる。

 BEXサービスは、コンテンツプロバイダーやインターネットデータセンター(IDC)、ISPなどの間をギガビットクラスの高速・大容量IPネットワークで相互に結び、余計なルーターを介することなく、ブロードバンドコンテンツを直接送り込む仕組み。レイヤー3での論理接続をサポートしているため、BEXに接続する各種プロバイダーはピアリング交渉を行うことなく相互接続を図ることが可能。

 現在は、首都圏に40ギガbps(当初の総容量)のWDMファイバーリングを構築しており、東京23区内に拠点を持つプロバイダー相手にサービスを行う。顧客のところまで専用の光ファイバーを敷き込むサービス(最寄りの収容局から5キロメートル以内)も提供するため、ブロードバンドをフルに生かしたインフラが用意されることになる。収容局は池袋、大手町、赤坂、豊洲、品川、新宿(予定)に展開している。

 基本的には各種プロバイダーの拠点が密集した都市圏でのサービスを行う考えで、来年度以降は関西方面もカバーしていく。ブロードバンドコンテンツを楽しむ一般ユーザーから見た場合、自分が契約しているプロバイダーがBEXサービスを利用していれば、地方に住んでいてもその恩恵を享受することが可能だという。今回、ISPとしてNECの「BIGLOBE」と松下電器産業の「hi-ho」がBEXサービスに接続することになった。2社は、同社の株主でもある。

 サービス料金は、回線容量が1ギガbpsの場合は収容局までの接続は月額170万円、加入者までの直結は同200万円、同様に100メガbpsでは収容局まで65万円、加入者まで75万円となっている。

 同社では、複数のコンテンツホルダーから魅力的なコンテンツを一元的に集約して、それを複数のプロバイダーに提供することによってコンテンツ流通を促進させる「CXサービス」、ブロードバンドビジネスを技術面から支援するコンサルティングおよびシステムインテグレーションサービスを提供する「SXサービス」も同時に推進していく計画である。