2002年春季CCS特集:ベストシステムズ
国産CCS無償化へ、海外製品も戦列に加えて事業拡大
2002.06.20−ベストシステムズは、国産分子設計支援システム「MolWorks」を5月から無償で提供するとともに、新たに米キューケム社およぶ加ハイパーキューブ社と販売代理店契約を締結し、商品ラインアップを拡大。学識経験者らからなる技術サポート部隊を設けるなど、事業体制を整備した。
MolWorksは、パーソナル型のCCSとして一通りの機能を備えており、国産CCSの振興という目的もあって1万5,000円(アカデミック1万円)という低価格で販売を行ってきた。5月にリリースした最新バージョン1.7から完全に無料とすることにより、ユーザーの底辺をさらに広げ、今後の開発への要望やヒントを得たい考え。逆に技術サポートを有償化し、ソフトを使いこなしてもらえるように十分な支援を行っていく。
また、新しく販売権を得たのは非経験的分子軌道法ソフト「Q-Chem」と、パソコン版の汎用分子モデリングソフト「HyperChem」の2種類。ともに、昨年までKGTが販売していたソフトで、既存ユーザーも含めて同社が引き継ぐ形となった。新しいプラットホームへの移植などの作業も同社で担当するなど、開発元とのさらに密接な関係を築いていく計画である。日本国内だけでなく、アジア市場全体を見据えた活動を志向する。
一方、同社の主力事業はPCクラスターの構築であり、CCS分野においてもユーザープログラムのクラスター対応などの要望に応えられる体制を組んでいる。話題になりはじめているグリッドコンピューティングに関する技術も蓄積してきている。専門会社のグリッド総合研究所も設立しており、MolWorksのバージョン2はグリッド対応にするとの計画も進んでいるという。