2002年春季CCS特集:富士通九州システムエンジニアリング

バイオインフォマティクスSI事業が拡大、LIMS分野で新製品も

 2002.06.20−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、研究所システムのシステムインテグレーション(SI)事業を加速させる。豊富なパッケージ製品を武器にしつつ、ユーザーの要求に合わせたシステム構築を志向していく。

 同社はこの分野で昨年度も30%近い売り上げ増を達成したが、実際にSIビジネスの伸びが大きかった。富士通経由の案件だけでなく、バイオインフォマティクス関連でFQS主体のプロジェクトも多く、民間からの仕事では特定の目的に合わせたデータベース(DB)の整備、DBシステム再構築などで実績を重ねた。

 とくに最近では、研究所内における“情報”の持つ意味が重さを増しており、今年はあらためて研究情報統合管理システム(LIMS)分野のSIサービスに力を入れる計画である。

 そこで大きな武器になるのが、すでに発売している薬品管理システム「ChemNavi」と、新製品の実験データ管理システム「LaIM NAVI」の2つ。ともに独自開発のパッケージで、ウェブ環境に対応したもの。 LaIM NAVIは、画像を含めたさまざまなフォーマットで研究所内に散在している実験データをまとめて統合し、ウェブインターフェースで簡単に再利用することを可能にする。とりわけ検索速度が速く、SQLなどを知らなくても高度な検索機能を簡単に駆使できることが特徴。

 一方、同社の子会社で富士通のCCS製品であるCACheの開発拠点ともなっているFQSポーランドだが、このほど独自のデータマイニングツール「ゴーストマイナー」を開発した。まずは欧州で発売し、コンサルティング体制を整えてから日本市場に導入していく予定だ。