2002年春季CCS特集:日立ソフトウェアエンジニアリング

専門研究センターを開設、DNAチップ各方式をそろえる

 2002.06.20−日立ソフトウェアエンジニアリングは、システムインテグレーション(SI)を含めたバイオインフォマティクス事業とマイクロアレイを核としたバイオチップ事業の2本柱を確立。ドライからウェットまでの幅広い取り組みをみせている。昨年12月には専門拠点としてライフサイエンス研究センターを開設し、事業展開にますます弾みがついている。

 同社では、大規模なインフォマティクスシステムが本来の機能を十分に発揮するためには、まだまだデータ量が少ないと判断。現在はDNAチップ/マイクロアレイを使って大量のデータをつくり出すことを優先させるフェーズだと位置づけている。自らもウェットラボを運営することによって、データ創出/コンテンツ拡大に寄与しようという考え方だ。

 同社のチップ事業はパートナーのDNAチップ研究所との連携で推進されており、すでにイースト菌、ラット(腎臓)、ヒト(白血球)、イネなどのチップをそろえている。また、cDNAクローンからの生のサンプルを使用するだけでなく、合成型のオリゴチップの技術も実用化した。さらに製法としても、スポッター方式に加えて、セラミックポンプ方式(日本ガイシとの提携)、ビーズ方式(米ルミネックスとの提携)に対応が可能。ニーズに合わせてあらゆるタイプのチップを生産・供給できる強みがある。

 これまでの研究用途に加えて、臨床診断用のチップにも本格的に参入した。オリゴ方式でプラスチック基盤を使ったユニークな製品になる。

 一方、センターをオープンしたことにより、同社に対するユーザーからの期待が大きくなったことを強く感じているという。センター内のラボ施設をフル活用し、とくにユーザーに還元できる情報資産を増やしていく。