2002年春季CCS特集:インフォコム
創薬支援で総合体制確立、ADME予測分野で先行
2002.06.20−インフォコムは、創薬プロセスを総合支援することを目的に4月から事業体制を整備し直した。新しい「バイオサイエンス部」のもとに、計算化学/モデリングからADME(吸収・分布・代謝・排出)予測、分析・実験データ解析、遺伝子・たん白質解析、データベースまで一貫したソリューションをそろえた。これらのパッケージソフトをベースに、システムインテグレーション(SI)や各種サービスを組み合わせる形で、製薬会社が必要とする情報技術を提供していく。
同社は、帝人システムテクノロジーとインフォコムが合併した企業で、新体制の2年目を迎えている。新薬の研究開発に役立つCCS製品群を幅広く取り扱っており、そのラインアップは国内ベンダーのなかでもトップクラスである。
なかでも得意としているのが、同社がいち早く着手したADME予測の分野。ヒトの消化器官でのADME特性を予測できるGastroPlusは、この分野の代表的ソフトとして国内でも実績が大きく拡大してきている。また、米アブソープションシステムズの受託ADME試験サービスも好評で、リピートオーダーも増えているということだ。
バイオインフォマティクス分野では、たん白質同定システムMASCOTの評価が高い。プロテオーム解析の広がりにともなって需要が伸びており、大量のデータベースを効率的に管理する目的でのSIビジネスに発展するケースもあるようだ。
一方、ゲノム創薬のセカンドステージではたん白質と薬物分子の相互作用に注目する必要があるが、その点で米シュレーディンガーのファーストディスカバリーの伸びが期待されている。Linuxクラスターへの対応で、大量のバーチャルスクリーニングを実施できるようになった。