2002年春季CCS特集:菱化システム

CCS専門店街志向で事業再構築、MOEが急成長

 2002.06.20−菱化システムは、CCSの専門店街の構築を目指す。同社は、旧バイオシム時代から約14年にわたってアクセルリス製品の販売・サポートを担当してきたが、買収を繰り返して百貨店化するなかでやや専門性が薄れた側面があったという。今年からアクセルリス製品の販売から手を引くことになったが、今後はユニークで充実した専門店を取りそろえることでCCS事業の再構築を進めていく計画だ。

 同社は、すでに専門性の高いベンダーと多く販売契約を結んでいる。データベースとシミュレーションを融合した材料設計支援システムを開発している米マテリアルデザイン、画期的なデータマイニング技術を持つ米サイテジック、力場パラメーターを第一原理計算から作成する技術を持つ米イーオンテクノロジー、密度汎関数法ソフトを擁する蘭SCM、熱力学物性推算の独コスモロジックなどがあり、今後も積極的に新しいベンダーを加えていくという。

 なかでも急速に成長してきているのが加CCGのMOEである。昨年度の売り上げは40%以上伸びた。CCSの開発運用環境として総合的な機能を持っているため、大手ユーザーは既存システムでカバーしきれないニッチな機能の開発・実装に向けて、小規模ユーザーはパソコンで手軽に活用できるCCS環境を求めてMOEを導入するケースが多い。価格体系もシンプルで追加購入率が高いのが特徴だという。

 また、MOEは東海大学が4月に発表した「創薬プロジェクト」にも正式採用された。ターゲットたん白質に対するドラッグデザインで活躍することになる。この部分を手がける平山令明教授らのグループは、分子軌道法を利用した新しい活性予測ソフトを開発し、一般公開する予定だという。