ダウエントがバイオ関連特許の配列・文献DBをウェブ対応

一般の研究者が手軽にアクセス、的確な内容と豊富なデータ量を誇る

 2002.06.25−特許情報サービス最大手のダウエント・インフォメーションは、バイオテクノロジー関連の特許データベース(DB)のウェブ版を開発、7月から販売を開始する。遺伝子配列DBの「GENESEQ on the Web」とバイオ関係の幅広い情報を集めた文献DBである「ダウエント・バイオテクノロジー・リソース」(DBR)の2種類がある。検索のプロではない一般の研究者にも使いやすいのが特徴。

 GENESEQは、世界中の特許のなかから核酸・アミノ酸に関する配列情報を包括的に集めたDBで、世界40ヵ国から10塩基以上のすべての核酸配列、4残基以上のすべてのアミノ酸配列と、特許に含まれるPCRプライマーとプローブをカバー。1981年からデータ収集をはじめており、現在では特許数で5万件以上、配列数で約240万のデータを収録している。

 これまでは、インハウス版としてDBコンテンツと専用の検索システムが提供されていたが、今回の製品はインターネット経由で検索できるサービスとなっており、初期投資やサーバー管理費用の面でコストが低い。ユーザーインターフェースも一般研究者向けに使いやすくしている。

 一方の文献DB「DBR」は、「ダウエント・バイオテクノロジー・アブストラクト」(DBA)としてCD-ROMや冊子体で提供されてきたものをウェブで検索できるようにした。バイオインフォマティクス、ゲノミクス、プロテオミクス、ハイスループットスクリーニングおよびロボット工学、生物化学素子、動物疾患モデル、ヒト組織工学などの分野を含むバイオ関連のあらゆる情報を網羅している。1982年以降の特許・文献・学会・コンファレンス議事録から27万件のデータを収録。

 今回の2製品はともに、ダウエントの専門家チームによって情報が分類・整理されており、ポイントをわかりやすくまとめた独自の抄録が付されているのが特徴という。現場の研究者がこれらのシステムを直接使用することにより、研究にともなう調査業務が大幅に効率化されので、研究自体のスピードアップも期待されるという。

 なお、同社では発売に合わせて7月3日に東京・水道橋の東京コンファレンスセンターで、5日に大阪・梅田の梅田スカイビルで「ライフサイエンス特許・文献セミナー」を開催する。申し込みは http://www.derwent.co.jp/event/clsseminar/index.html まで。