住商エレがトライポスの受託研究サービスを提供

国内で体制整備、バーチャルスクリーニングなどを実施

 2002.04.09−住商エレクトロニクスは、創薬支援専門のコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーである米トライポス社が提供している受託研究サービスを国内で本格的に推進する。受注したプロジェクトを単にトライポスに仲介するだけではなく、社内に設備や体制を用意し、独自でもサービスを行えるようにした。コンピューターを利用して候補化合物群を絞り込むバーチャルスクリーニングを中心に顧客の創薬研究の一端を担っていく。

 トライポスの「ディスカバリーリサーチサービス」は、統合型CCSである「SYBYL」などのソフトウエアライセンス販売と並んで全売り上げの24.5%を占める主力事業の一角へと成長してきている。傘下には化合物の受託合成やロボットアッセイなどを行うラボも擁しており、新薬の候補となるリード化合物を探索するためのいわゆるドライからウエットまでの技術を幅広くカバーしていることが特徴。

 住商エレは、トライポスの国内総代理店を1992年から務めており、ここ数年はソフトに加えてトライポスが独自に設計・合成した化合物ライブラリー「リードクエスト」の提供でも実績を伸ばしている。今回、トライポスのディスカバリーサービスを国内でも提供することは、同社としてもさらに付加価値の高い事業展開を目指そうという狙いがある。

 すでに、社内にプロジェクトを受注できる体制を整えているが、基本的にはトライポスのソフトウエアを利用してできる作業が中心になり、ウェット系の仕事が入ってくる場合などはトライポス側との連携でサービスを推進することになる。このため、国内では特定の目的に従ってライブラリーを絞り込むなどのバーチャルスクリーニングなどを主に実施することになる。

 例えば、リードクエストには10万件の化合物が用意されているが、その全部を購入する必要がない場合も多い。自社のターゲットにかないそうな化合物だけをふるいにかけて提供してほしいという要望に応えて、バーチャルスクリーニングを受託したケースもあるという。