菱化システムが米ケムイノベーションの統合型LIMSを発売

完全ウェブ対応を実現、研究所内のあらゆる情報を統合管理

 2002.08.22−菱化システムは、米ケムイノベーションソフトウエア社と研究所統合情報管理システム(LIMS)に関する総代理店契約を締結し、「CBIS」(ケミカル&バイオロジカルインフォメーションシステム)の国内販売を開始した。創薬などの研究で取り扱う化学および生物学情報を一元的に管理できるほか、研究所内の試薬などの在庫管理、電子ノートブックやプレゼンテーションなどの研究報告資料作成ツールまでを幅広く備えている。完全にウェブ対応となっており、使いやすく他のアプリケーションとの統合性にも優れているのが特徴。ソフト価格は、永久ライセンスで500万円から。

 CBISは、ウェブ対応の統合型LIMSで、インターネット/イントラネットを介して研究所内のあらゆる情報を統合できる。遺伝子やたん白質などの生物学データベース(DB)、化合物の構造式・反応情報・物性データ・文献データなどを収めた化学DB、ハイスループットスクリーニング(HTS)に基づく生物学的アッセイDBなどをウェブベースで簡単に構築することができる。大量のデータを扱うための解析ツールやデータマイニングツールも用意されている。

 ワードやエクセルなどのオフィスドキュメントも統合でき、例えば日本語のワード文書に書き込まれている文字列や数値情報、リンクしている構造データを検索することもできる。このため、研究所内の情報共有を簡単に推進することが可能。インストールもやさしくメンテナンスも容易だという。

 データは、サーバー内のOracleまたはSQLサーバーに蓄積されるが、外部DBとの接続も容易。クライアントはウェブインターフェースを採用しており、コンパウンドやインベントリー、プレート、アッセイ、リージェント、ドキュメントなど機能ごとに分類されたタブを切り替えることで直感的に操作することができる。ウェブなのでカスタマイズも行いやすい。

 ウェブ対応の創薬向け統合DB管理システムでは米MDLのISISや米ケンブリッジソフトのChemOfficeウェブサーバーなどの先行製品があるが、CBISは後発ゆえに最初からウェブ対応でデザインされており、使い勝手やアプリケーションの統合性・連携性で優位にあるという。

 CBISの製品体系は、基本モジュールのCBISサーバーが25ユーザーの永久ライセンス(買い取り)で500万円。これにアプリケーションモジュールを組み合わせていく。現在、構造式作図ツールの「Chem4D」(同100万円)、化合物・在庫・アッセイの「ChemDB」(同400万円)、電子ノート・ドキュメント・レポートの「E-Lab」(同200万円)、HTSデータ管理・プレート管理の「HTS」(同200万円)、試薬・安全性管理の「Reagents」(同150万円)、プラスミド・ファージ・たん白質の「BioDB」(同200万円)、配列解析の「シーケンスツール」(同250万円)−が用意されている。官公庁・大学向けはこの半額となる。

 なお、菱化システムが今回結んだのは企業向けのCBISに関する総代理店契約であり、ケムイノベーションのデスクトップ製品である「Chemistry 4D Draw」はこれまで通り国内代理店のディジタルデータマネジメントから提供される。