米SPSSがバイオインフォマティクスでデューク大学DBSRと提携

データマイニングツールClementineの新用途開拓へ

 2002.08.01−ビジネスインテリジェンス(BI)の大手ベンダーである米SPSSは、米デューク大学バイオインフォマティクスシェアードリソース部門(DBSR)と大量のゲノム関連情報からのデータマイニングで技術提携を結んだ。DBSR部門に対してデータマイニングツール「Clementine」(クレメンタイン)のライセンスおよびサポートを提供し、そのノウハウや成果のフィードバックを得る。SPSSは今後、バイオをはじめとする科学技術分野にも本格的に進出していく。

 今回の提携で利用されるクレメンタインは、もともと1999年にインテグラルソリューションズから買収した製品で、SPSSの総合BIソリューションの中でデータ分析・予測ツールとして重要な位置にある。主にCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)分野の分析系ツールとして多用されている。顧客をカテゴリー分類したり顧客行動を分析したりすることで、企業が対顧客活動の利益率を向上させ、競争優位な立場を得ることができるようになるという。世界で500社以上の導入実績があるが、もっぱらビジネス分野がメインで、科学技術分野での利用は少ない。

 今回、デューク大学のDBSR部門は、コンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニング(HTS)、マイクロアレイ、臨床データなどの大量情報をクレメンタインで解析していく。DBSRでは、現在の市場にはバイオインフォマティクスに適したデータマイニングツールが不足していると認識しており、今回のクレメンタインを有望な候補製品として位置づけているようだ。解析のためのアルゴリズムの豊富さやユーザーインターフェースの使いやすさでも優れているという。

 SPSSは、今回の提携を通じてDBSRでの利用技術や経験を共有し、クレメンタインの改良と機能拡充に役立てていく計画である。