インフォコムがスイス・ジーンバイオと代理店契約

SWISS-PROTなどのたん白質関連DB製品を民間向けに供給

 2002.10.17−インフォコムは、スイスのジュネーブバイオインフォマティクス(略称・ジーンバイオ、ロン.D.アペル会長)と代理店契約を締結し、欧州の中心的なバイオデータベース(DB)機関であるSIB(スイス・バイオインフォマティクス研究所)が提供しているたん白質DB製品の国内における販売活動を開始した。民間研究機関およびSIB製品を利用した製品を開発しているベンダーを対象にしたもの。DBを利用するための契約や送金でスイスと直接やり取りする繁雑さがなくなることに加え、契約期間中の解約や契約内容の変更にも柔軟に対応できるようになる。同社では、初年度に6−7サイト、約3,500万円、3年後には年間20サイトで約1億円の売り上げ規模を見込んでいる。

 ジーンバイオ社は、1998年からSIBの代理店として、SIBで蓄積整理されたDBを独占的に配給してきている。今回、インフォコムが取り扱うDB製品には、SWISS-PROT、PROSITE、SWISS-2DPAGEの3種類があり、いずれもたん白質関連DBのスタンダードとして世界中の研究者に利用されているもの。その用途はゲノムやプロテオミクスの基礎研究、創薬、医療および安全性評価など幅広い。

 SWISS-PROTは、SIBとEBI(欧州バイオインフォマティクス研究所)が作成したアミノ酸配列DBで、高度に分類整理されたアノテーション情報が付されている点が特徴。最もポピュラーなDBであり、多岐にわたる他のDBとのリンクを実現している。一方、PROSITEは、たん白質全般に関するDBで、調べたいアミノ酸配列が既知のたん白質ファミリーに属するものであるかどうかを正確に判断できる。生物学的に充用なサイト、パターン、プロファイル情報から構成される。また、SWISS-2DPAGEは、二次元のポリアクリルアミドゲル電気泳動法(2-D PAGE)とさまざまな2-D PAGEマップ上で同定したたん白質に関するデータをまとめ、アノテーションを付したDBとなっている。

 日本国内の民間研究者は、これまではジーンバイオ社と直接契約してDBを利用する必要があったが、今後はインフォコムから当該製品とサービスが提供される。契約上の不自由さもなくし、いつでも変更や解約ができるようにした。

 SWISS-PROTに代表されるSIBのDBは、定番であるだけに多くのバイオインフォマティクス系ベンダーが自社の製品に組み込んだり、合わせて提供したりするサービスを実施している。インフォコム自身も1999年からジーンバイオ社を通してSIBのDB製品を調達してきたが、今回からこうしたベンダー向けのDB供給の窓口も基本的にインフォコムが担当することになるという。