日本SGIがバイオ研究システム構築支援サービス

ICRと連携、DB更新・検索・解析までの一貫システムを提供

 2002.12.25−日本SGIは24日、京都大学化学研究所(ICR)の協力を得て、バイオ研究システムの構築支援サービス「BioSerendip」(バイオセレンディップ)を提供開始すると発表した。ICRのバイオインフォマティクスセンターが開発したバイオ関連統合データベース(DB)検索システム「DBGET」、および同社が同センターと共同開発した各種システムを中核にしたもので、利用者は高度なIT(情報技術)のノウハウを必要とせず、バイオ研究に集中することができる。民間企業を中心に受注拡大を目指す。

 今回のサービスは、今年の7月にICRバイオインフォマティクスセンターと結んだ提携関係をベースにさらに発展させたもの。これまでは、もっぱらDBGETの提供を中心にしてきたが、すでに数件の受注実績に加え、10数件の引き合いが寄せられているという。今回は、周辺のサービスを取り揃えて正式に製品化することにより、配列解析を主体としたバイオ研究をトータルに支援できるようにした。

 具体的には、DBGETが検索対象にする約30種類のバイオDBを常に最新の状態に保つための更新サービス「DBUPDATE」を提供。日本SGIのきめ細かな運用サービスと組み合わせれば、日々の更新作業やエントリーの抽出などの繁雑な作業を行わずに最新で最適なDBを構築・運用することが容易になる。また、ホモロジー検索プログラムのBLAST/FASTA、マルチプルアラインメントのClustalWをウェブインターフェースで簡単に利用することが可能。モチーフプログラム群に対応したモチーフ検索システムも統合している。

 使用するDBがアカデミックベースであるため、商用DBを中心としたシステムよりも低コストで利用できることも特徴。ハードウエアには、ICRで稼働実績のあるSGIの各種サーバーマシンを組み合わせて使用する。SGIマシンはBioSerendipで利用できるソフトウエア環境に最適化されているので、並列化効果を最大限に引き出せるなどのメリットがあるという。