インフォコムがプロテオーム解析のための専用データベースシステム
preXenceを独自開発、Mascotの出力情報を統合管理
2003.03.20−インフォコムは19日、プロテオーム解析を支援するためのデータ管理・解析システム「preXence」(プレゼンス)を自社開発し、販売を開始したと発表した。多くの販売実績を持つ英マトリックスサイエンスのたん白質同定ソフト「Mascot」が出力する大量の情報を効率良く管理し、データベースシステムとして検索や解析を行う機能を備えている。プロテオーム研究のスループット向上に役立つシステムとしてバイオ研究機関や製薬会社を対象に売り込んでいく。価格は400万円で、初年度15ライセンス、約1億円の売り上げを見込んでいる。
preXenceは、基本的にMascotと組み合わせて利用するシステム。 Mascotは質量分析装置のピークデータをもとに、その試料に含まれるたん白質を同定するソフトで、たん白質やゲノムのデータベースを高速に検索することで可能性の高いたん白質の候補を選び出し、スコアリングする機能を持っている。最近では質量分析装置自体のスループットが上がってきているため、Mascotが呈示する情報量が増加の一途をたどっており、多くのユーザーが効率の良い専用データベースシステムを求めていたという。
具体的には、解析タイトル、たん白質のID、たん白質の名称、たん白質の質量、質量分析データ名などをデータベース化し、文献やモチーフなどの付加情報をリンクして蓄積しておくことができる。このため、細胞や組織に存在する有意なたん白質を抽出・解析したり、異なる細胞や組織の中の発現たん白質の差異を抽出・解析したりすることが可能。研究者が手作業で行ってきた解析作業の負担を大幅に軽減できるという。
動作プラットホームは、Windows2000またはLinuxで、J2EE(Java2エンタープライズエディション)ベースのウェブ環境に対応している。昨年の夏ごろから一部のユーザーに先行的に提供していたが、今回はPCサーバーや技術サポートを含めたトータルソリューションとして正式に製品化した。