米アクセルリスがインドにソフト開発拠点を設立

来年7月までに100名超える体制に拡大、製品開発を加速へ

 2003.06.25−コンピューターケミストリーシステム(CCS)最大手の米アクセルリスは、開発体制を大幅に強化するため、インドのバンガロールに開発拠点となる新会社を設立した。9月から本格的な体制で業務を開始し、来年7月までに100名を越える開発陣を揃えていく。近年、インドはソフトウエア開発の拠点として日米のソフトウエア業界などから注目されてきているが、どちらかというと外注先として利用されるケースが多く、米国のソフト会社が直接に進出する例はまだ少ない。その意味でも、今後の成果が注目されそうだ。

 アクセルリスは、創薬ベンチャーである米ファーマコピアの子会社で、米モレキュラーシミュレーションズ、米バイオシム、英オックスフォードモレキュラーなどの欧米の多くのCCSベンダーを合併して成長してきた。このため、製品数が非常に多く、製品体系も複雑化。現在では、生命科学系のシステム群を「ディスカバリースタジオ」、材料科学系を「マテリアルスタジオ」の名称で統合しつつあるが、製品リリースのスケジュールが遅れがちになっているのが現状だった。

 そこで、製品開発を大幅にスピードアップし、顧客満足度向上を実現する目的でインドに開発拠点を設けることにしたもの。これは、100%出資の現地法人「アクセルリスソフトウエアソリューションズ」で、本社のハーシャ・パーテル副社長(インドR&D担当)が代表に就任している。

 設立登記は今年の5月に行われており、当初8名の体制で業務を開始したが、毎月10名のペースで現地のプログラマーを採用しており、9月には専用のオフィスへの移転も実施する。来年7月には106名の体制にまで拡大させる。

 インドには優秀なソフトウエア技術者が多いことに加え、雇用のコストが米国の5分の1ほどであり、直接に開発拠点を設けるメリットが大きいと判断したようだ。