CCS特集:日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ
他社DB・ツールを統合、先進の研究環境を提供
2003.06.26−日本バイオ・ラッド ラボラトリーズは、他社のデータベースや解析ツールを自社の統合CCS環境に取り込むオープン化戦略を推進。大幅な付加価値の向上を成し遂げてきている。数年前からWindowsベースの新しいユーザーインターフェースを導入したが、使いやすいとおおむね好評だという。
同社の統合システムは「Know It All」の商品名で提供されており、最近のソフトウエアでよくみられるようになった“アウトルック”的なルック&フィールをいちはやく導入したことでも知られている。フレームで区切られたツールボックスを分野ごとに編集できるので、研究のためのすっきりとしたデスクトップ環境を構築することが可能。
旧サドラー時代からの定評あるデータコンテンツは、外部データベースとの統合によって質・量ともに大幅に充実している。例えば、NMR(核磁気共鳴)データ件数はサドラー独自の16万件から36万件へと一気に拡大。マスデータもNIHやEPAから16万件を導入した。もちろん、他の追随を許さない22万件のIR(赤外線)データ、ポリマー関係の興味深いサンプルを収録した3,300件のラマンデータなど、サドラーならではの強みも健在である。
一方、解析機能でも他社ツールの取り込みが進展している。その一つがプロトンNMRの予測ソフトで、パーチソリューションズ社の製品を組み込んだもの。もともとはフィンランドのクピオ大学で開発されたプログラムだという。 Know It Allに完全に統合された形で使用することができる。
また、同様にハンガリーのコムジェネックス社の解析ツール群もKnow It Allから自由に利用できるようになった。構造式からの代謝や毒性の予測をはじめ、logPやpKaなどのADME予測に必要な各種物性を導き出すことができる。これは、今春の米国化学会(ACS)で発表されたばかりの製品で、ただいま日本語化の作業が進行中。夏から秋にかけて国内でも発売される予定だ。