CCS特集:コンフレックス
米国での販売活動を開始、秋までにグリッド対応も
2003.06.26−コンフレックスは、2000年に設立されたCCSの専門ベンダーで、豊橋技術科学大学の後藤仁志助教授らのグループによって開発された分子構造の配座探索システム「CONFLEX」を中心に、専門的なコンサルティングサービスなどを提供。事業としては、2年連続の黒字を達成しており、順調に軌道に乗りはじめている。
CONFLEXは、今年の3月末まで文部科学省プロジェクトを活用して商用化を進めてきた。国内だけでなく、米国にも進出しつつあり、今年の春のACS(米国化学会)に出展し、現地代理店との販売契約も締結した。ただ、日本に比べて米国での知名度がまだそれほどでもないので、2−3年かけてじっくり市場開発に取り組みたいということだ。
今後の機能強化では、たん白質などの生体高分子の配座探索に対応できるようにしていく予定。これまで対象にしてきた低分子化合物とは異なり、たん白質では立体配座の自由度が格段に増すので計算量が一気に膨れ上がることになる。しかし、プロセッサーの高速化が目覚ましく、PCクラスターなどの高速な計算環境が出現しているため、たん白質も十分に射程内に入ってきたというのが同社の見方である。このため、まずはPDB(プロテインデータバンク)ファイル形式などを扱えるように拡張していく。
さらに、グリッドコンピューティングへの対応も計画中。現在の並列版「パラレルCONFLEX」をグリッド対応に機能強化したもので、すでに動作しているバージョンが存在しており、近く製品化できる見通しだという。今年9月のACSで後藤助教授が研究発表を行う予定になっており、それに間に合わせたいようだ。もちろん、春に続いて付設展示会にも出展する。