CCS特集:富士総合研究所
自社開発Xsiを販売、創薬バーチャルスクリーニングに対応
2003.06.26−富士総合研究所は、新薬開発に役立つバーチャルスクリーニング機能を備えたモジュラー型システム「薬師−Xsi」を開発、3月に正式リリースした。夏から秋にかけて、さらに来年に向けて機能強化を実施し、実用性を高めていく。
同社は、かねてから数々のCCS開発プロジェクトに参加してきた実績を持つベンダーだが、以外にも自社開発のCCS製品を発売するのはこれが初めてになる。実際には、Xsiも3年前からの文部科学省プロジェクトに関連して開発を進めてきたシステムであり、プロジェクト終了に先行して商品化を実現した。
システム全体は自由に構成できるモジュール構造を採用しており、三次元配座生成のXsi-Conf、三次元構造活性相関解析を行うXsi-SDQSAR、たん白質とのドッキングシミュレーションを行うXsi-Dock、ウェブユーザーインターフェースのXsi-Web(7月提供予定)、JavaベースのユーザーインターフェースであるXsi-ワークステーション(9月提供予定)、XML専用化学データベース管理システムのXsi-DB(9月提供予定)から構成される。さらに来年に製品化するものとして、ホモロジーモデリングツールのXsi-ホモロジー、Xsi-DB用のデータコンテンツとして医薬とペプチド、コンビナトリアルケミストリーのデータが用意されている。
モジュール間は、独自のスクリプト言語であるXsi-Scriptで自由に連携させることが可能。スクリプトを書いて各モジュールを接続し、大量の計算を一気に処理するようなバッチ的な使い方がメインになるようだ。100個以上のプロセッサーを利用するような高度並列処理にも対応できるようになっており、計算効率は非常に高い。
Xsi-Script自体は独特のものだが、ビジュアルベーシックのように使うことができ、構文も直感的でわかりやすいのですぐに慣れることができるという。OS(基本ソフト)はLinuxをサポートしているが、Windowsへの移植も計画中。
Xsiは完全自社開発製品であり、ユーザーニーズに応じたカスタマイズや機能追加などにも即座に対応できるのが特徴だろう。コンサルティングや技術サポートも充実しているほか、開発がともなう際にも科学技術計算の経験豊富な技術陣が控えているのが強みである。