CCS特集:ヒューリンクス

新体制で事業拡大へ、有望製品が揃う

 2003.06.26−ヒューリンクスは、科学技術計算分野のパソコンソフトを専門的に扱ってきたベンダーで、CCS分野では米ガウシアンや米ケンブリッジソフトなどの製品を主体に展開している。今年2月、同社はアルゴグラフィックスの傘下に入り、新体制での拡大戦略を推し進めている。今年はCCS事業の飛躍が期待される。

 昨年度は、Gaussian03の出荷を控えて開発元から前バージョンの販売を差し止められることになったため、実質では7ヵ月間しか販売できなかったが、それでも前年度の実績を上回るほどの好調さだった。いよいよ4月からはGaussian03の出荷が開始されており、実際にかなりの反響だという。バージョンアップの問い合わせも多く、評判は上々ということだ。

 同社では、Gaussianの利用環境を強化できる並列化ツール「Linda」(サイエンティフィックコンピューティングアソシエイツ社)も用意しており、組み合わせての提案活動にも力を入れていく。

 また、米ケンブリッジソフト(CS)が同社のオフィス内に日本支社を開設したことも大きなトピックスの1つ。これまでは、CS製品でもエンタープライズ版のChemOfficeウェブサーバーなどは同社では扱いきれない実態もあったが、今後はCS日本支社からのサポート面での協力が得られるため、あらためてエンタープライズ版の事業化にも挑戦したい考え。

 CS製品ためのウェブページも一新しており、充実した最新情報をいち早く提供できるように心がけていきたいという。CS製品も多機能化しているため、あまり知られていない便利な機能が埋もれている場合もあり、いろいろな利用法の提案も行っていく。

 一方、昨年夏から販売開始した「TurboBLAST」(米ターボジェノミックス)はここへきて販売ルートが確立され、今年への期待が大きい。具体的な販売パートナーとして、日本SGI、クレイ・ジャパン、日本IBM、日立ハイテクノロジーズ、ビジュアルテクノロジー、Too、アルゴグラフィックス、松下電器産業などと契約を結んだ。近く、国内のユーザー事例を紹介できそうだという。

 新しい分野では、データマイニング市場にも取り組んでいく。米サルフォードシステムの「CART」が医薬・バイオ分野で注目されているためで、9月上旬に大規模なセミナーを開催し、プロモーション活動を強化する。