CCS特集:日本電子データム
加ACD製品の取り扱いを開始、マイクロプレート対応NMR解析で威力
2003.06.26−日本電子データムは、日本電子の分析装置の付加価値を高め、研究者の業務を支援する各種のソフトウエア製品を提供している。解析ソフトやデータベース製品を中心に販売が好調だが、新たに富士通経由でカナダのACD社の製品群の販売権を取得した。とくに、NMR(核磁気共鳴)と関連したプログラムを集めて「NMRパック」(仮称)として販売する予定。新薬開発のハイスループットスクリーニング(HTS)分野で注目されそうだ。
マイクロプレートを使用した自動合成/HTSなどの試験では、最後の分析に質量分析装置が使われることが多いが、データの同定に正確さを期すためにNMRを利用したいというニーズが高まっている。日本電子では、ECP/ECAシリーズのNMR装置に装備できるオートサンプラーを開発中で、これによって96穴マイクロプレートをハイスループットで読み込むことが可能になる。ACD製品にはこのデータ解析に対応できるソフトが揃っており、製薬会社向けに装置と合わせての拡販が期待できるという。日本電子データムでは、ECP/ECAのデータを取り込むフィルターを用意して提供する。
ACD製品には、化合物のスペクトルを予測するソフトもあるが、一次元のシフト値だけでなく、二次元のスペクトルを予測できる点で興味深いとしている。とくに、プロトンNMRはデータベースも揃っておらず、計算での予測も難しかったが、ACD製品の予測精度はかなり高いということだ。
また、自社開発パッケージの「ALICE2」はNMRデータ解析ツールとして装置にバンドルされており、すでに2,000本近くの出荷実績がある。最新のバージョン4では解析機能が強化されており、プロ向けツールの「NM-SPEC2」(米スペクトラムリサーチ社)の一部機能を取り込んだ。将来的には両製品の統合も考えていきたいという。
なお、データベース製品ではバイオ・ラッドの「KnowItAll」、独クレオン・ラボコントロールの「SpecInfo4」の人気が高い。NMR装置との同時購入のほか、大学などの図書館に導入されるケースも少なくない。