CCS特集:日本総合研究所

土井プロOCTA商用化を推進、コンサル・サポートを提供

 2003.06.26−日本総合研究所は、高分子のメソ領域をシミュレーションできる「J-OCTA」の商用化プロジェクトを推進中。経済産業省の大学連携型プロジェクトとして実施された通称・土井プロジェクトの成果を受けて開発を進めているもので、システムは2005年3月に完成する予定だが、現在は予約販売というかたちで開発途中のバージョンを提供しながら、サポート、コンサルティングや解析受託など、具体的な事業展開を開始している。

 土井プロジェクトの成果物としての「OCTA」は、ソースコードも含めて完全公開されており、インターネットから誰でもフリーでダウンロードすることができる。日本総研が開発中のJ-OCTAは、このフリー版OCTAをさらに使いやすくするためユーザーインターフェースを強化するほか、並列化やグリッドコンピューティング対応などの機能強化を施したものとなる。

 すでに、土井プロジェクト参加企業のうち9社への導入が決まっているほか、参加外企業からも多くの引き合いが寄せられている。実際、その中の3社に対してフリー版OCTAの使い方などのサポートを実施、また具体的なテーマに対する適用検証や解析受託、および技術コンサルティングなど、4件のプロジェクトを実施した。同社は、このための組織である「ナノバイオテクノロジーセンター」にすでに18名の専任者を配置しており、本腰を入れて事業拡大を目指す考えである。

 J-OCTA完成後は、分野ごとに特化したソリューションパッケージを揃えていく計画もあり、そのためにもコンサルティングを通じてノウハウ蓄積をさらに進めていきたいという。

 なお、販売面では、同じ住友グループの住商エレクトロニクスが運営している科学技術計算ソフトのオンラインサイトである“ネットサイエンス”との販売協力体制ができあがっており、こちらのルートでの引き合いも期待できそうだ。