CCS特集:日本MDLインフォメーションシステムズ

直販主体へ事業体制を転換、製品面ではデータマイニング分野を強化

 2003.06.26−日本MDLインフォメーションシステムズは、ケムインフォマティクス分野の最大手ベンダーである米MDLの日本法人で、この1年間で以前の代理店中心の販売・サポート体制から直販体制へと事業構造を大きく転換、新たな戦略を推進するための体制固めをほぼ完了した。今後は、日本のユーザーの要望を開発にダイレクトに反映させることができるようになり、4月に開設したコールセンターも含めて顧客満足度の向上に全力を傾けていく。

 昨年、MDLは複雑化した製品体系を整理し、ブランドの統一を図るなど、足場固めにも専念してきた。日本MDLでは、販売・サポート体制を直販主体に切り替えるとともに、新しくコンサルティングサービスにも着手。システム統合やアプリケーション開発などの実際のプロジェクトもこなし、国内でも欧米と同等のサポートを提供できることをユーザーに対して示してきている。

 製品技術面では、新しい統合開発環境として「MDLコアインターフェース」を確立した。内部の開発環境として利用してきたが、それをユーザーや外部のソフトベンダーにもライセンスする考え。異なるアプリケーションを統合したり、複数のアプリケーション間でデータを共有したりすることが簡単に行えるという特徴がある。

 このフレームワークを利用すると、ユーザー認証のシングルサインオンが可能となり、例えば共通のブラウザーで再認証の手間をかけることなく複数のデータベースにアクセスすることもできるという。実際に、新サービスの「ディスカバリーゲート」にも利用されており、日本でも近く本格的に提供をはじめる。

 また、最近ではとくにデータマイニングツールの品揃えを強化している。米パーテックの「Pertek Pro」、米サイテジックの「パイプラインパイロット」といった外部ソフトの販売権を取得し、これらを独自の意思決定支援システムである「MDLデシジョンマネジャー」と連携できるようにした。新薬開発がインシリコスクリーニングに重点を置く方向に変わりつつあるためで、提案活動を強化していく。