CCS特集:三井情報開発

関西方面へ拠点展開、自社パッケージも強化

 2003.06.26−三井情報開発のバイオサイエンス事業は、昨年度に27%増の19億円の売り上げを達成した。スタッフも110名に増員、関西方面への展開を行うとともに、昨年11月には東海大学発のバイオベンチャーであるジェノダイブファーマへの出資、今年1月にはエーザイと包括的な相互技術協力契約を結ぶなど、着々と実績を重ねつつある。

 昨年度は、神戸市の「トランスレーショナルリサーチインフォマティクスセンター」(TRI)をはじめとして大型プロジェクト受注が順調で、システムインテグレーション(SI)に関連する高速サーバーマシンの納入など、ハードウエア関係でも売り上げを伸ばした。

 関西への展開は、“京都バイオシティ構想”に基づく「京都市酒蔵バイオVIL(ベンチャービジネスインキュベーションラボラトリー)」に参画し、昨年8月に京都分室というかたちで常駐スタッフを送り込んでいる。同社の大阪支店にも専任者を置き、関西への足がかりもしっかりと築いた。

 今年は、プロジェクト関係はプロテオーム分野に特化し、TRIの実績をテコに臨床インフォマティクス分野の開拓に力を入れる。また、この間に開発を進めてきた自社パッケージソフトの本格的な事業化にも力を入れたいという。

 具体的には、RoboSNP、ジェノミックプロファイラー、VoyaGeneなどの新規製品の立ち上げを目指す。 RoboSNPは、遺伝子およびSNPデータベースから関連情報を自動的に収集し、それをわかりやすく分類・閲覧できるようにするシステム。マーカーを探したいといったニーズに最適で、昨年から引き合いが増えている。

 ジェノミックプロファイラーは、DNAチップ/マイクロアレイの発現データを扱うトータルシステムで、発現プロファイル統合データベース環境とデータ解析ツール群を合わせ持っている。販売実績も高まってきており、機能を強化してさらなる普及を目指す。また、遺伝子ネットワーク研究はまだまだこれからの世界だが、具体的なパッケージとしてVoyaGeneを提供することで市場性を広げたい考え。

 これらの戦略を通し、今年度は13%増の22億円の売り上げ規模を目指していく。