コンフレックスが米国で配座探索システムCONFLEXを本格販売

純国産CCS普及へ米ネットライアンスと提携

 2003.05.19−独立系コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーのコンフレックス(本社・横浜市中区、大田一男社長)は、豊橋技術科学大学の後藤仁志助教授らのグループによって開発された分子構造の配座探索システム「CONFLEX」(商品名)の米国での販売を開始した。このほど、米ネットライアンス社(本社・カリフォルニア州、アリス・ワン社長)と販売契約を締結、同じオフィス内にコンフレックスのサンディエゴ事務所も開設した。純国産のCCSが海外で販売される例はまだ少なく、反響が注目される。

 CONFLEXは、分子の安定な立体構造を効率良く調べるためのソフトで、フレキシブルな配座空間をもれなく探索し、化学的に重要な配座異性体の最適化構造をみつけ出すことができる。後藤助教授らのグループが考案した“貯水池注水アルゴリズム”(ReservoirFilling Algorithm)をベースにしており、とくにこの3年間は文部科学省の「独創的革新技術開発研究」制度を利用して開発されてきた。

 文科省プロジェクトでの開発は今年の3月末に終了し、その意味ではいよいよ本格的な事業化のフェーズに入ってきている。

 今回、米国で販売するのはCONFLEXの最新バージョンである「CONFLEX2000」、専用グラフィックソフトである「BARISTA」、さらに同社が販売権を持つ富士ゼロックス製のアドオンボード「MDエンジンII」などの製品群。さらには、体制を整えてコンサルティングサービスなども行えるようにしていきたいという。

 今年の3月末には、米国進出の一環として、ニューオーリンズで開かれたアメリカ化学会(ACS)付設展示会に初めて出展した。 CONFLEXの知名度はそれほど高くなかったが、配座探索の手法や精度には多くの来場者が関心を持ったということだ。

 提携先のネットライアンス社は、アリス・ワン社長が大手CCSベンダーだったオックスフォードモレキュラーグループ(OMG)を退社して設立した企業。夫君のダニエル・ワン副社長が以前にOMGの日本向け営業担当を務めていた関係で、今回の話しがまとまったようだ。

 なお、日本の大学におけるCCSの研究レベルは、欧米と比べても高いといわれており、実際に近年では欧米の著名なソフトに日本人研究者のアルゴリズムが採用されることも増えている。ただ、ソフトパッケージとして国産製品が海外で普及した例は少なく、今回のCONFLEXの米国進出の成否は、国内のCCS研究者の広く注目するところとなりそうだ。