富士通がWinMASPHYCの簡易コンサルティングサービス
MD普及への新戦略、低料金で専門サポート
2003.06.10−富士通は、分子動力学法(MD)の独自ソフトウエア「WinMASPHYC」(商品名)を利用した材料研究を支援するための簡易コンサルティングパックを製品化した。実際の研究テーマへの適用などに関して個別のサポートを実施し、ソフトを十分に活用できるように専門コンサルタントがていねいに面倒をみる。MD法は半導体や液晶、電池などの新材料開発に利用できるが、使い方が難しく、計算化学の初心者には敷居が高いともいわれる。同社では、低価格のコンサルティングサービスを提供することでソフト自体の価値を高め、一層の普及を促す考えだ。
今回のコンサルティングパックは、「WinMASPHYCアドバイザリーサポート」の名称で提供するもので、WinMASPHYCのプロ版を対象とする場合は年間48万円、WinMASPHYCウルトラ版については同72万円というわかりやすい料金設定を行っている。
この中には、1年間に6回程度の入力データの診断、年に2回程度の個別指導、テクニカルQ&A、操作法およびマニュアルに関するアドバイス、もう1台にソフトをインストールできる半年間の期限付き追加ライセンス−などが含まれている。
MDシミュレーションは、初期構造の問題で計算が正常に進行しなかったり、力場のパラメーターが存在しなくて計算ができなかったりする場合も多い。今回のコンサルティングでは、入力データの診断やパラメーターの作成などを支援し、ユーザーがMDシミュレーションをうまく実行できるように助けていく。本格的な委託コンサルティングに近いサービスをわかりやすい低料金で提供することが最大の狙いとなっている。