米MDLがサイテジックのデータマイニングツールの販売権
創薬向け市場で全世界に販売、日本は窓口が交代
2003.06.13−大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの米MDLインフォメーションシステムズは、データマイニングツールベンダーの米サイテジックと戦略提携を結んだ。創薬研究に最適な機能を備えた「パイプラインパイロット」(商品名)の販売権を取得、全世界のライフサイエンス市場で製品とサービスを提供していく。国内では、菱化システムが代理店として2年前から販売していたが、米国での提携にともない、国内の販売元も日本MDLインフォメーションシステムズに交代した。ただ、既存ユーザーのサポートに関しては、年内は菱化システムが継続する。
MDLは、創薬に関連した情報を幅広く扱う総合インフォマティクスベンダーで、さまざまな研究データから有用な情報を自由自在に引き出して意思決定に役立てる統合システム「MDLデシジョンマネジャー」を開発している。今回のパイプラインパイロットは、このシステムと連携できるサードパーティーツールとしての位置づけになる。MDLのプラットホームで管理している多様なデータベースを扱うことができる。
パイプラインパイロットの特徴は、複雑なデータ解析のプロセスを簡単にモデル化できる“データパイプライニング”と呼ばれる技術。画面上にデータソースの種類やフィルタリングの条件式、出力形式などのオブジェクトを配置し、パイプラインのようにつないでいくだけで、多種大量の情報からのマイニングを簡単に行うことができる。創薬研究で利用する各種のデータ形式を最初からサポートしており、もともとは汎用的なツールだが導入実績はライフサイエンス分野が大半を占めているという。
日本市場については、今年の3月末で菱化システムは販売活動を停止しており、日本MDLからの製品提供に切り替わっている。ただ、菱化システムは自社が販売権を持つCCS製品の「MOE」と統合した形での販売に力を入れていたため、そうしたユーザーに関しては年内は引き続き菱化システムからパイプラインパイロットに関するサポートが継続されるようだ。