トゥインコムとACCESSがPDAからISISにアクセスするシステムを開発

プロトタイプを公開、日本MDLと3社協業で事業化を検討

 2003.09.26−eビジネスやユビキタスコンピューティングでユニークな技術を持つトゥインコミュニケーション(本社・東京都中央区、町井俊也社長)の米国法人であるトゥインコミュニケーションズオブアメリカ(本社・カリフォルニア州、晝間信治社長)と携帯電話向けブラウザーのトップ企業であるACCESS(本社・東京都千代田区、荒川亨社長)は、日本MDLインフォメーションシステムズの統合化学情報管理システム「ISIS」に対してPDA(携帯情報端末)から無線アクセスするシステムを共同で開発、先ごろ行われたMDL日本ユーザー会に参考出品した。バーコードを読み取る機能を内蔵しており、研究所内などの化学物質の管理にも役立つと期待される。日本MDLを含めた3社で引き続き協業関係を築き、事業化・製品化の可能性を探っていくことにしている。

 今回、両社が共同で開発したプロトタイプは、Windows系のPocketPCに対応したもの。化学薬品の登録ナンバーを示したバーコードを読み取って、無線でISISのデータベース(DB)内を検索し、その化学構造式などの情報をPDA画面上に表示するデモンストレーションを行った。DB内のデータを照会して閲覧するだけでなく、PDA側からデータ入力・更新を行うこともできる。

 研究者がいつも持ち歩いて、思い付いた時にどこからでもDBを検索して、柔軟な研究の発想を手助けすることができるほか、バーコード機能を利用して試薬の在庫管理を現場からダイレクトに行うなどの応用が考えられるという。

 両社では、今後さらにPDA画面上で構造式の作図などを可能とするツールの作成などを行って、使い勝手を高めていくことにしている。トゥインコム側は、同社の米国法人がこのプロジェクトを担当する。

 なお、今回のシステムは、トゥインコムのJavaベースの統合アプリケーションフレームワーク“XOE”を利用して構築されており、画面まわりの表示系にはACCESSのブラウザー技術“NetFront”を採用している。