トライポスと住商エレなどが創薬支援環境を無償提供

抽選で1社に年間使用権、5万件の化合物ライブラリーも用意

 2004.01.29−米トライポスは、コンピューターケミストリーシステム(CCS)普及への新戦略として、国内代理店の住商エレクトロニクスおよび重松貿易と共同で、総額1,000万円以上の創薬支援システムを1年間無償で提供することにした。国内の製薬企業や新薬研究機関を対象に2月末まで募集し、抽選で1社に使用権を与える。スクリーニングに使用できる5万件の化合物ライブラリーも提供されるため、アッセイロボットなどの設備があれば、有望な候補化合物を発見するための創薬研究にすぐに取りかかることが可能。トライポスの技術を積極的に評価してもらい、成功事例を集めたいという狙いがある。

 今回の懸賞(http://chem.clubsse.com/Tripos/Award2004/index.html)は昨年秋に欧米で実施されているが、日本では初めて。こうしたアワードプログラム自体、CCS業界初の取り組みとなる。

 トライポスは、創薬のためのコンピューター支援技術を幅広く網羅しているソフトベンダーの1社だが、グループにファインケミカルメーカーを擁しており、実際の化合物ライブラリーを合成・販売しているという特徴がある。このソフトとライブラリーを自由に使用してもらい、得られた研究成果を事例としてプロモーションに利用することが、今回の主な目的となっている。

 提供されるコンビナトリアルライブラリー「LeadScreen」(リードスクリーン)は、5万種類の化合物をマイクロプレートにあらかじめセットしたもので、2−3回のアッセイに使用できる。重松貿易から納品されるので、輸入などの面倒な手続きはない。

 一方、LeadScreenによるHTS(ハイスループットスクリーニング)結果のデータ解析を行うソフトが「SARNavigator」。ソフトを使いこなすことができるよう、住商エレクトロニクスがトレーニングやサポートを無償で提供する。データ解析結果の分析や最終判断に関しても、トライポス側の技術スタッフが支援する体制となっている。

 当選は1社だが、応募したグループに対してはLeadScreenとSARNavigatorを3月末まで特別価格で購入できる特典を付ける。