アクセルリスが東洋ゴム工業に配合設計支援システムを導入

配合・プロセス情報をDB化、最適配合条件を予測

 2004.04.03−アクセルリスは、東洋ゴム工業に配合設計支援システム「マテリアルスタジオFAST FDS」(商品名)を導入した。ゴムやプラスチックなどのフォーミュレーションのデータベース(DB)化を実現することにより、実験の重複やムダを省いて、効率良く最適配合設計が行えるようにする。海外では10社ほどの導入実績があるが、今回が国内の第1号ユーザーに当たる。

 FAST FDSは、アクセルリスの前身のモレキュラーシミュレーションズ(MSI)が1999年から2002年6月末まで研究組合形式で実施した「フォーミュレーションコンソーシアム」の開発成果で、約1年前からコンソーシアムメンバー以外でも利用できるようになっている。

 これは、材料QSAR(構造活性相関)ツールの発展系ともいえるシステム。DBに保存した配合やプロセスのデータと、望ましい製品性能との関係を、統計解析によって相関式の形で導き出す。この相関モデルを用いて、相反する設計条件のバランスを取りながら、最適なフォーミュレーションの特性を予測することが可能。さらに、複雑な二次元、三次元の多次元データセットでも、強力な可視化機能を用いて重要なデータをみつけ出すことができる。

 東洋ゴム工業では、現場の職人のカンに頼って配合設計のデータが蓄積されていなかったり、DB化がなされていても製品別に縦割りで管理されているために実験の重複やムダに気づかなかったり、過去のデータが死蔵されていたりするなどの研究活動の問題点に注目。それまでエクセルなどでバラバラに管理されていた配合設計に関するデータを、FAST FDSで全社的に一元管理することにした。プロジェクトは中長期的なスパンで進められる模様。

 これまでに社内で蓄積したデータを踏まえて、性能やコスト面などを含めた最適な配合の処方や条件を見定められるので、新製品開発のスピードアップが期待できるとしている。