2004年春季CCS特集:コンフレックス

対米進出が本格化、グリッド応用ドッキングシミュレーションも

 2004.06.30−コンフレックスは、配座探索ソフトウエアCONFLEXを中心に、計算化学の受託計算サービスやコンサルティングサービスなどにも積極的に取り組んでいる。

 CONFLEXは豊橋技術科学大学の後藤仁志助教授らのグループによって開発されたもので、世界的にもユニークなアルゴリズムを使って自由度の高い分子の配座空間をもれなく探索することが可能。専用のGUI環境であるBARISTAが整っており、使いやすさも特徴となっている。

 同社は、海外でのCONFLEXの販売にも積極的に取り組んでおり、昨年から米国化学会(ACS)にも欠かさず出展し、知名度を上げる努力を行ってきた。昨年9月には米国法人も設立、現地パートナーと協調して本格的な事業が進行しつつある。

 開発面では、グリッドコンピューティングを利用したドッキングシミュレーションの実用化に取り組んでいく。今年3月にリリースした最新版のCONFLEX5では、たん白質を対象にする機能を強化しており、これをグリッド環境で稼働させることで、たん白質側と薬物側の両方の配座異性体を発生させながら、両者の相互作用を精密に調べるというソリューションの完成を目指していく。グリッド向きの計算だと考えられるので、製品化が待たれるところだ。

 一方、他社製品の代理店販売では分子動力学法(MD)ソフトのAMBERを扱っている。とくに最新版のAMBER8では、理研ベンチャーである高速計算機研究所が開発したアクセラレーターボードMDGRAPE-2をセットにしたシステム販売にも力を入れる。このボードはスーパーコンピューター並みの64ギガFLOPSという性能を持っており、来年にはテラFLOPS級の新製品にバージョンアップする予定もあるという。