STSがバイオ分野の検体・試験管理システムを開発

試験工程に沿って一元管理、GLP対応でLIMSへも発展

 2004.06.23−サイエンス・テクノロジー・システムズ(STS)は、創薬研究や臨床試験などで細胞や血液などの検体を効率良く管理できる専用システム「TDAMS」(商品名)を開発した。研究や試験現場で困っている技術者らの実際の要望を聞いて開発した製品で、機能が特化していて使いやすいことに加え、将来のLIMS(研究所統合情報管理システム)への発展性も考慮されていることが特徴。Windows対応で、ソフト価格は70万円から。

 TDAMSは、バーコードラベルを使って検体を簡単に管理するだけでなく、検体試験の工程の流れをグラフィックを用いてデザインし、その実施状況を一元的に管理することが可能。たん白質質量分析装置などとリンクし、測定データを自動的に吸い上げてくれる。

 TDAMSナビゲーターと呼ばれるGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)環境を通して、プロジェクト一覧、プロジェクト詳細、工程詳細、検体トラッキングといったかたちで階層的に検体試験の全体を把握できる。測定データや解析データは、工程別・検体別に登録・保管されるので、いつでも情報をすばやく引き出せる。

 とくに、GLP(医薬品の安全性試験の実施に関する基準)対応しているため、研究分野での利用に加えて受託試験機関などからの引き合いも期待できるとしている。

 現在は、エクセルなどでデータ管理をしているケースが多いが、検体が数千件にもおよぶ創薬・バイオ分野では情報を扱い切れなくなりつつあるのが現状だという。同社では、現場の技術者・研究者の悩みに応える簡便なシステムとして、まずは普及を図っていく。