MASCOTの英マトリックスサイエンスが日本法人を設立

年末にはLIMS市場進出も、プロテオーム研究専用で低価格実現

 2004.08.12−たん白質の同定システムで世界トップシェアの英マトリックスサイエンスが日本法人を設立し、日本市場で独自の活動を開始した。データベースをもとにして、質量分析(MS)データからたん白質を同定する「MASCOT」の販売に加え、年末にはデータ管理システム「インテグラ」を製品化し、LIMS(研究所統合情報システム)分野にも進出する。日本法人の設立によって、技術サポートなどを充実させ、国内ユーザーの要望を開発にも反映させていく考え。とくに、プロテオーム研究の支援に力を入れていく。

 MASCOTは、2000年3月からインフォコムが代理店になって国内で販売されてきており、これまでに約130ユーザーへの導入実績がある。インフォコムとの契約は今年の2月末で終了し、現在は日本法人による直接販売・サポート体制に移行している。

 日本法人の社名は「マトリックスサイエンス」(田中直樹社長)で、本社を東京都千代田区外神田6−10−12(KNビル3階)に置く。電話は03−5807−7895、FAXは03−5807−7896。資本金は2,000万円で、英マトリックスサイエンスが60%を出資、残りは田中社長ら日本側の設立スタッフが出資するかたちをとっている。

 MASCOTは世界で80%のシェアを持つというが、日本市場の売り上げ比率は約3割にも達している。今回の日本法人設立は、直販体制でユーザーサポートを強化しつつ、LIMSなどの新規事業の立ち上げをスムーズにさせたいという狙いがある。

 その意味で、年末に発売が予定されている「インテグラ」が戦略商品になる。これは、プロテオーム研究に特化したLIMSで、試料の分離・精製から試料たん白質の同定までの主要試験データと実験プロセス全体を統合化されたプラットホーム上で管理することができる。データのアーカイブやマイニングも可能。オラクルをベースにしてミドルエアに「LabVantage」(米ラブバンテージ社)を採用し、その上にマトリックスサイエンスが独自のアプリケーションを構築した製品となっている。

 3−5ユーザー程度の研究室単位のLIMSとして製品化されており、日本の研究現場に最適なシステムとなっている。一般的なLIMSは業務に合わせて多くのつくり込みが必要で、価格も数千万円から1億円になる場合もあるが、「インテグラ」は特化したパッケージ製品であるため導入期間も短く、価格も1ユーザー当たり100万円程度と手ごろ。同社では、プロテオーム研究で実際的な成果を引き出すためには、多くの実験を行ってデータ解析のスループットをあげることが必要だとしており、そのための強力な研究支援環境を「インテグラ」で提供できるとしている。

 また、日本法人設立によって代理店のマージンを削ることができるため、既存の製品価格も約30%値下げし、ユーザーへの利益還元を図る。大規模に使用する際に、ライセンス追加を行いやすくしようという狙いもある。