サイバネットシステムが米オープンアイと販売契約を締結

創薬支援システム群を提供、三次元類似度検証やドッキング解析など

 2004.12.21−サイバネットシステムは、米オープンアイ・サイエンティフィックソフトウエア(本社・ニューメキシコ州、アンソニー・ニコルス社長)が開発した創薬支援システム製品群の国内における販売権を取得した。リード化合物探索を高い精度で行うために三次元での類似度の評価やたん白質との相関を検証できることが特徴。単体で利用できるアプリケーションと、ユーザーが自分でプログラムに組み込むことができるツールキットの両方が用意されており、価格はサイトライセンスで122万円から。初年度に30本の販売を見込んでいる。

 オープンアイ社は1997年の設立。アプリケーション、ツールキットとも多くのプログラムで構成されるが、アプリケーションでは化合物データベースからの大規模なフィルタリング処理を行う「FILTER」、高信頼・高速な配座生成プログラム「OMEGA」、化合物の三次元形状による類似度検証を行う「ROCS」、静電ポテンシャルによる類似度検証の「EON」、1秒間に12の配座でのドッキングシミュレーションを高速実行する「FRED」、形状の類似度を維持したままで静電ポテンシャルの異なる化合物群を生成して比較する「WABE」、専用の統合グラフィック環境「VIDA」−などの製品がそろっている。

 一方のツールキットは、CやC++、Pythonなどのプログラミング言語を利用して自由にカスタマイズすることが可能。MMFF(メルク分子力場)を利用した化合物の最適化機能を持つ「CASE」、ケムインフォマティクス向けプログラムライブラリーを豊富に組み込んだ「OEChem」、ROCSの類似度検証機能をC/C++から利用できるようにする「Shape」、ポワソン・ボルツマン法による静電ポテンシャルシミュレーションを行う「Zap」−から構成される。ユーザープログラムにこれらの機能を組み込むことが容易に行える。

 プラットホームは各種のUNIX、Linux、Windowsに対応しており、EONとFRED、OMEGA、ROCSはパラレルバーチャルマシン(PVM)環境での並列化が可能。